光明会の創業原点を
継承する

社会福祉法人光明会
理事長 小澤 啓洋

光明会の法人経営の原点は創業者である小澤定明の「何があっても見捨てない」という人情にあり

光明会を真の意味でご理解いただくために欠かせない小澤定明のエピソードをご紹介します。

今から40年近く前の話になります。小澤定明が民生委員・児童委員をしていた頃の話です。

小澤定明が担当する地区に引っ越してきたばかりのAさんがいました。隣近所とも付き合いがなく、近所の方からもAさんのことは口を揃えてよく分からないと言っていました。小澤定明がAさんの担当となりましたので自宅に訪問すると犬や猫の糞尿のような異臭を感じました。確信はありませんでしたが、ただ事ではないと察し、Aさんの静止も振り切り奥の襖を開けました。そこには座敷牢があり、重度の障害のあるお子さまが横たわっていました。

小澤定明が数日後、何とかAさんとお子さまを支援したいと行政とも相談し、再度Aさん宅を訪問した時には、もぬけの殻でした。ここからは推測ですが、重度の障害のある子どもを知られてしまった以上、隣近所の目を気にされ引っ越さざるを得なかったのではないでしょうか。その時、小澤定明は障害のある子どもも家族も、お天道様の下で堂々と暮らせる世の中にしたい、そんな世の中を必ず作るのだと決意しました。この体験が平成11年8月1日に開設した知的障害者入所授産施設の設立につながっているのです。

このたび、令和7年6月19日に開催された第135回理事会において創業者である小澤定明から理事長職を継承し、同日付で理事長に就任いたしました。

理事長に就任し、私の心の奥底から湧き上がる揺るぎない思いは創業者理念である「何があっても見捨てない」という義理と人情の精神に基づく、障害福祉の実践にあり、小澤定明が実現したかった、誰もが取り残されることのない福祉社会を創造することにあります。それを光明会ではお客様が誰かのために、一生懸命に働き、一人ひとりの役割を果たすことによって叶えることが使命であると捉えています。

誰もが取り残されることのない福祉社会を実現するにはこの理念に共感し共に歩んでいただける法人職員の存在が不可欠です。光明会の最も重要な財産は法人職員であり、About Himの一節にもある小澤定明の言葉に「俺にとっての財産は職員だけだな」は嘘偽りのない思いです。私も心からそのように思っています。

今後は地域社会の皆様や法人職員が心から誇れる光明会となれるように、そしてその法人職員がお客様のありたい人生に大いに貢献し、地域社会をも活性化できるよう、不易流行の精神で法人経営を担う所存です。 全ての法人職員とこれまで以上に力を合わせて、小澤定明が夢見た、誰もが取り残されることのない福祉社会の実現に向けて、私たちの歩みを進めてまいりますので、旧に倍するご指導ご鞭撻をいただきますよう、心からお願い申し上げます。