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知的障害者施設における
ケアマネージャーの必要性と個別支援計画

社会福祉法人  光明会
障害者支援施設 明朗塾
主任指導員 齋藤義秋

1 章 はじめに
2 章 ケアマネージャー
1. 介護保険制度
2. ケアマネージャーとは
3. ケアマネージャーの仕事の流れ
4. ケアマネージャーになるには
5. ケアマネージャーの活躍の場
3 章 障害者ケアマネジメント
1. 障害者ケアマネジメントの必要性
2. 障害者ケアマネジメントとは
3. 障害者ケアマネジメントの流れ
4. 障害者ケアマネジメント従事者
4 章 個別支援計画
1. 個別支援計画とは
2. 処遇計画と個別支援計画との違い
5 章 明朗塾における個別支援計画書作成
1. 個別支援計画書作成までの歩み
2. 個別支援計画書の比較
3. 個別支援計画書の書式
4. 個別支援計画書の記入説明
5. 個別支援計画書の作成状況
6. 個別支援計画書の問題点・改善点
6 章 まとめ
1. 障害者施設におけるケアマネージャーの必要性
2. おわりに
 参考文献

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1章 はじめに

将来、自分自身が知的障害者福祉だけではなく、高齢者福祉や総合的な福祉について幅広く勉強したいと考えていたときに、高齢者福祉にケアマネージャー(介護支援専門員)という資格があることを知った。いずれ知的障害者も高齢化が進み、支援・指導だけではなく介護が必要となる。
高齢者福祉分野の初歩的な資格となるホームヘルパー(訪問介護員)2級課程を平成16年1月に取得し、知的障害福祉分野において、この資格取得で学んだことが応用できるのではないかと感じた。特にベットメーキングやシーツ交換、入浴介助などである。
2003年4月に障害者分野も利用契約制度として支援費制度が開始され、利用契約時には個別支援計画の提出が必要となる。私自身も明朗塾において個別支援計画書作成に関わり、個別支援計画書は誰が作成しなければならないのか、なぜ知的障害者福祉にケアマネージャーが存在しないのか疑問に思った。
高齢者福祉にはケアマネージャーという資格があるが、障害者福祉にはこのような専門の資格が無い。このことから今回の研究レポートのテーマとした。


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2章 ケアマネージャー

2−1:介護保健制度

 介護保険制度とは「1997(平成9)年12月に法案が成立。市町村を保険者とし被保険者を第1号被保険者(65歳以上の者)、第2号被保険者(40〜65歳未満の者)と区分、今後予想される高齢者(要介護者)対策の一環で、寝たきりや痴呆など介護を必要とする人に対し、介護サービスの提供や施設の入所といった介護保障を社会保険方式により行う制度であり、2000年4月から施行され、40歳以上の人は、毎月決められた額を支払う。介護保険を受けられるのは、65歳以上で介護が必要とケアマネージャーから認知された者であった。」

(『社会福祉用語辞典』社会福祉士受験対策研究会、棋苑図書、2000年2月、P39)

2−2:ケアマネージャー(介護支援専門員)とは

ケアマネージャーとは「介護保健制度のもとで要介護者の相談に応じて、サービスを提供し、ケアプランの作成などを行う専門職で、厚生省令で定める者をいう。おもに、医師・歯科医師・薬剤師・看護師・保健師・社会福祉士・介護福祉士・理学療法士・作業療法士など。5年以上の実務経験がある者は、国家試験を受ける資格を有する。」 

(『社会福祉用語辞典』社会福祉士受験対策研究会、棋苑図書、2000年2月、P38)

 「ケアマネジメントする人。介護保健制度ではこの働きをする人をケアマネージャーと呼び、保健・医療・福祉など幅広い職種を対象としている。ホームヘルパーも実務経験を満たせば受験資格がある。」 

(『訪問介護員養成研修テキストブック2級課程』ミネルヴァ書房、2003年7月、P427)

2−3:ケアマネージャーの仕事の流れ

【第一段階】介護保険の申請〜要介護判定まで

ケアマネージャーによる認定調査

サービスの必要な方が介護保険のサービスを利用するためには、最初に「介護が必要である」と認定される必要がある。申請すると、次の流れで認定される。

?@市町村の窓口に介護サービス申請をする。
?A申請者は認定調査を受ける。
?B調査表を元にコンピューターで一次審査。
?C認定審査会(専門家5人程度)による二次審査。
?D認定結果が申請者に通知される。

 ケアマネージャーは、?@の申請代行のほか、?Aの「認定調査」を行うことができる。つまり認定調査は、市区町村の担当者か、または市区町村の委託を受けたケアマネージャーが、申請者の家庭へ訪問することになっている。認定調査では、視力などの身体機能、立ち上がりなどの基本動作、食事や排泄などの日常生活動作、記憶や理解など79項目に渡り調査する。調査に当たるケアマネージャー4は、全国共通の「認定調査表」に調査結果を記入し、選択式回答に盛り込めない情報は「特記事項」に書き込む。

【第二段階】認定〜サービスの利用まで

ケアプランの作成・実施・管理

 要介護・要支援と認定された人は、要介護度に応じた限度額内であれば、かかった費用の一割負担でサービスが利用できる。その際、どんなサービスをどのくらい利用するかという介護サービス計画(ケアプラン)を作ることが必須になる。このケアプランを作るのがケアマネージャーである。

(1)ケアプランの作成
 ケアプランを作成するに当たっては、ケアマネージャーは本人や家族と話し合いながら、課題の分析・ニーズの把握を行い、最適なケアプランを作る。これがケアマネージャーの一番中心になる仕事である。ケアプランの善し悪しで、介護の効果が違ってくる。また、本人や家族の納得のいくものに仕上げる必要がある。そのためにケアマネージャーは本人や家族をはじめ、医師や看護師、サービス事業者、ボランティアなどを集めて「サービス担当者会議」を開く。どんなサービスをするかを周知させたり、専門家や担当者の意見を聞いたり、本人や家族が専門家や担当者に聞きたいことや要望を出したりして、ケアプランをよりいっそう練り上げ、何曜日の何時に何のサービスをするかなど具体的なサービス内容を詰めていく。

(2)ケアサービスの実施
 サービスを実施に移すに当たり、ケアマネージャーは本人の代わりにサービス提供機関へ正式にサービスの依頼をする。そこでサービスの時間帯が合わなければ時間や曜日をずらしたりの最終的な調整をして、いよいよサービス内容が確定する。
 サービスの内容や利用する回数といったケアプランは、通常1週間単位で作成し、本人が利用するサービスの種類や利用機関、曜日や時間帯まで詳しく「サービス利用票」に記入する。

(3)ケアサービスの管理・調整
 ケアサービスが決められたようにきちんと行われているかを定期的にチェックすることもケアマネージャーの大切な仕事である。それと同時に、要介護者の生活の質が高まっているか、自立して生活する方向へ向かっているかなど、ケアサービスの効果も把握しておく必要がある。その変化によってはケアプランを再検討しなくてはならないからである。その調整もケアマネージャーの仕事である。


(『ケアマネージャー講座案内資料』生涯学習のユーキャン、P4)

2−4:ケアマネージャーになるには

介護支援専門員実務研修受講試験に合格し、原則として3日間の実務研修を2回(合計32時間以上)受けて初めてケアマネージャーになる資格が与えられる。

試験名 介護支援専門員実務研修受講試験
受験資格 介護や保健医療、福祉の仕事に携わっている方で、規定の実務経験を5年または10年以上有する方。(保有する国家資格により科目免除有り)
実施時期 年1回
願書受付 試験の2〜4ヶ月前
合格発表 1〜2ヶ月後
試験形態 マークシート方式(五肢択一と五肢複択)
試験時間・問題数 フル解答者で全60問、2時間
合格基準 未発表のため正確ではないが、約8割の得点が必要と言われている。

【受験者数と合格者数】
 
受験者数
合格者数
合格率
第三回(平成12年度)
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