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2019年度社会福祉法人光明会経営方針(第2版)
(平成31(令和元)年度事業計画)

第2章 事業の使命

2-1 事業指針(顧客焦点、プラス発想と覚悟が前提条件)

 光明会は、お客様の価値に徹底して焦点を合わせるために、我が国の社会福祉制度の歴史を理解し、現行福祉施策を最大限に活用する視点(プラス発想)と、すべての事業の成果は私たち法人職員の行動とその習慣に起因するという覚悟をもち、障害福祉サービス事業及び公益事業を通じてつぎの2点の実現を目指す。

①様々な能力のある方とそのご家族にとっての新しい価値(顧客価値)の創造(イノベーション)を通じて、お客様にとって心の拠り所となり、驚きと発見がある障害福祉サービスや関連サービスを提供し「仕事のある充実した人生」を創造する「人生指南」をする。そのために様々な能力のある方々の行動とその原因や意志について純粋な目で注視する。人生は行動の連続である。行動の結果得られるものは、自らのビジョンにとって不可欠な経験であるからそこには失敗は存在しない。失敗とは、挑戦から逃げて行動を避けることである(※15)。経験を積み重ねるために挑戦を繰り返す勇気が必要である。自らのビジョンに向かうことが成長であるから、行動する勇気を引き出すことを「人生指南」の中身とする。

②全ての人が、感謝と報恩の心で他のために主体的能動的に身も心も素直に捧げる利他行動(これが「勤勉・勤労」ということである。)を習慣とする地域社会づくりに責任を持つ。これが顧客創造の目的である。

 そのためにすべての法人職員は、人間とは何か、障害とは何かを哲学的にかつ心的に理解する力を養わなければならない。そのために読書、旅、交友が不可欠である。お客様自身が、自らの変わる可能性を十二分に信じて張りのある人生を創造できるよう支援しよう。お客様の権利と義務を尊重し安全な環境を健全な法人経営の下に提供しよう。お客様の生活上すべての場面での「安心と快適」を保証しよう。
 このことはすべての法人職員の主体的な社会貢献が基盤にあってこそ実現する。
 これらのことを通じて福祉社会を実現することを事業指針とする。

(※15「大きな絵、つまり夢を思い描く。そして行動を起こす。そうすると、ひとつだけその絵を完成させるのに必要なピースが手渡される。つまり、行動の結果手に入るものは、失敗でも成功でもない。絵を完成させるために不可欠なピースのひとつであり、それ以上でも、それ以下でもない」「とにかく行動を起こすのだ。よいか、それによって何が返ってくるのかを気にして、怖がる必要も、また期待する必要もない。手に入れたときは嬉しかろう。また、期待はずれだったら辛かろう。しかし、大いなる力が絶対に必要なものをお前に与えてくれているのだという事実を忘れてはならない。」前掲『賢者の書』 P52 P56)

事業指針を維持するための留意点と思考法

 事業指針を維持するために、制約の中、枠の中で考えてこそ、革新的解決策が生まれると説いた「インサイドボックス」の思考法(※16)を活用しよう。制約、制限、困難、クレームこそが愉しみの根源、発展の原動力となる。自由を満喫する勝手気儘な「放浪」というものはこの世にはない。自分で設定した自分への制約の中で楽しむという「大人の美学」を大切にしよう。外見は同じ事業でも、その「役割の定義」を変えることもまた進化の一つである。

 福祉サービスの品質保証のための改善と顧客価値の提供を目指すことは重要であるが、ややもすれば欠点の指摘、批判に陥りがちになる。継続的改善とは、すなわち発展であり、決して現状維持のための取り組みにとどまるものではない。
 改善策を「不調の原因を探る」ことに留めることなく「再発防止策を通じて成長・進化する」ことを追求しなければならない。「この事態から何を学ぶべきか」「この事態に遭遇したことによって新たに始められること何か」をもとに再発させないための改善策を思考しよう。現時点の結果にとらわれずに「誰のためか」「何のためか」を問いつつ目的を追求する「ファンクショナル・アプローチ」(※3-6-4項)の思考法の理解もまた重要である。
 そこで、修正すべき点の原因と再発防止策を峻別して探り目的を見失わずに新しい価値創造へと進み行くために価値提供マネジメントにおいてはISO9001の規格とファンクショナル・アプローチを活用する。ISO9001規格の適合に向けてプロジェクトを発動し継続的改善のためのしくみの有効化を図る。
 価値提供マネジメントにより、志推進会議(月例のリーダー会議)で法人内各事業所の所管事業の進捗状況確認や目標達成管理を行い、アクションプランを作る。またすべての法人職員が現況を理解・共有できるよう「光明会通信」を毎月発行し、全職員参加の月例パワーアップミーティングで共有する。
 法人マネジメントにより、法人デザインスクールを月例で開催し、法人の使命と職員の使命との共存について意見交換をする。この会議での議論は、職員研究レポートと並び次年度以降の経営方針立案につながる重要な機会である。法人デザインスクールへの参加はすべての職員に推奨される。

(※16「固定観念を捨てて制約を設けず枠にとらわれるな」は間違いである。制約の中、枠の中で考えてこそ、革新的解決策が生まれる。創造的な問題解決策が生み出される過程には共通するパターンがあり、その方法論を学ぶことは可能である。方法論は5つある。引き算のテクニック、分割のテクニック、かけ算のテクニック、一石二鳥のテクニック、関数のテクニックである。J.ゴールデンバーグ、D.ボイド『インサイドボックス』文藝春秋 2014)

2-2 私たちのお客様(顧客定義)

2-2-1 仕事道を追求する人

 人間にとって「就職」は人生のある時期における幸福実現の一つの手段に過ぎない。また人生の充実感、幸福感は「会社で働くこと」だけではない。
 しかし、人間は働くことで自らの使命を果たす。「自分の時間を誰かの喜びに変えることが、働くということ」(※17)である。働くことは、自分が成功の人生を送る方法ではなく、他人に成功の人生を与える方法である。働くことは単に自らの所得を得ることには留まらないことに気づくべきである(※18)
 20世紀までの工業社会は物質的豊かさによる生活の利便性を追求する時代であった。一方、内閣府による「国民生活に関する世論調査」(※19)によれば、物質的豊かさよりも心の豊かさを求める国民の比率は、平成30(2018)年は61.4%であり、過去40年間同様に日本においてはモノを手に入れること(そのための所得を優先すること)よりも、幸福感のある体験、充実した生き甲斐感、日本人本来の心性である美しい生き方(これらをモノに対して「コト」と呼ぶ)をますます求めるように変わった。
 様々な能力ある方々の所得保障にだけ着目するならばそれは、モノを手に入れる支援に留まる。本当の課題は、結果である所得保障ではなく、自分の時間を誰かの喜びに変えるプロセスにある。「人生に仕事がある喜び」を提供し「仕事のある充実した人生」を創造する「人生指南」を「新しい就職支援の基準」としなければならない。仕事のある人生を送るためには、まず就職しなければならないが、仕事で生き方を追求する(これを「仕事道」と呼ぶ。)には、仕事道を極めるために必要なコトを提供していかなければならない。働き方改革を生き方改革として捉えなければならないゆえんである。
 仕事のある充実した人生を創る上で必要な関連サービス(これを「仕事道サービス」と呼ぶ。)を広範囲に提供するためにはサービス提供のネットワーク組織が必要となる。
 また様々な能力ある方々にとって労働者として働くことの権利義務がどのように保障されるべきか、という課題に真摯に向き合おう。それは労働者の権利保証のためには最低賃金の保証に代表される労働法規の完全適用を目指すという狭小なとらえ方からの脱却でもある。
 就職支援を所得保障の側面からだけとらえたモノの提供に留まる従来の支援スタイルからの脱却を図るためには「人生指南」というとらえ方が不可欠なのである。

 社会貢献を当法人の組織の使命の基本に据えるのは、社会人として、大人として、人として大切なものが、経済自立的就職とは別次元に存在するという確信である。他人(特に将来を担う世代の子たち)のために身も心も尽くす行動、またそれができることに素直に感謝することなくして、人は幸せを得られないのである。
 人生の喜びをお客様に伝道するという「人生指南」の使命の根源には、喜びを伝えられたお客様と私たち光明会職員とが終生の絆を結びたいという願いがある。お客様が、光明会とその運営する各事業と出会って幸福への道を見つけること、そして福祉サービスの利用が不要となった後も自ら「仕事道」を追求する同志である法人職員と人と人との関係を持ち続けたいと心から願うこと、このことこそ私たちが最終的に求めるお客様の姿(顧客価値の姿)である。
 「人生に仕事がある喜び」を提供し「仕事のある充実した人生」を創造する「人生指南」は、障害者に限らず生活困窮者をも対象とする。自治体とハローワークとが一体となって進める就労支援に積極的に関与する。特に「就労意欲の喚起」とは「仕事道の伝道」ととらえて、従来の支援の組み立て直しを追求する。

(※17 喜多川泰『ONE WORLD』サンマーク出版 2014 p64より引用。また「働くことによって返ってくるものは、お金だけではないよ」前掲書 p67)

(※18「世の中の多くの人はこう考えて生きています。『欲しいものはお金を払って手に入れる』。私は、やはり欲しいものを手に入れる方法の基本は『物々交換』じゃないかと思っている。『相手の持っているものの中で自分が欲しいものと、自分が持っているものの中で相手が欲しがるものとを、お互いがちょうどいいと思う量で交換している』。もしあなたが、欲しいものを手に入れる方法として〝買う〟という方法以外思いつかない人ならば、あなたが持っているものの中で相手が欲しがるものが〝お金〟だけであるということを無意識のうちに認める生き方をしているということなのです。会社が持っているものの中であなたがどうしても欲しいと思えるものは、お金や安定、多くの休日や福利厚生の充実以外に本当はたくさんあるはずです。同様に、あなたの持っているものの中で会社が欲しがるものは、時間と労働力以外にもたくさんあることに気がつくはずです。」前掲『手紙屋~僕の就職活動を変えた十通の手紙~』pp36-40)

(※19 https://survey.gov-online.go.jp/h30/h30-life/zh/z21-1.html)

2-2-2 顧客価値を追求する企業

 障害者雇用に真摯に取り組む民間企業もまた当法人のお客様である。就労移行支援事業・就労定着支援事業を含め、求職者を企業に紹介する事業のお客様は顧客価値を追求する企業である。お客様である企業に対しては、後戻りややり直しができる安心感や具体的な支援から得られる安心感に基づく挑戦する勇気を「雇用支援」として定期的に提供していく。これが障害者の就職継続の支援(勤続支援)であり同時に企業に対しては長期雇用支援となる。顧客は企業であるから、就職継続支援・雇用支援は企業に対して提供するものである。

2-2-3 非顧客の声に耳を傾ける

 価値創造マネジメントにより、市場調査を通じて私たちのお客様の喜びの声を集約し、またそれを発信していくことで喜びの輪を広げていく。お客様が何にどう感動するかをお客様とともに共有する。また、光明会のお客様となってもよいのにお客様となっていない方々(非顧客)の要望を伺う。それは「仕事道サービス」を拡大充実していくために必要な新しい連携のスタイルを見つけるためである(CMOが所管する)。  様々な能力のある方々の新しい価値を創造(発見)するために外部の有識者の意見・助言を求めよう。新しい価値の創造はイノベーションである。組織の存在価値(事業の成果)はお客様のためであるが、お客様のためを志向する組織の姿勢が必ずや社会のためになるのであるから、この活動によって得られた情報は光明会のHPで発信し、新しい価値の創造が我が国の社会福祉概念、制度や施策に結実するよう関係者との協働を追求しよう。

2-3 顧客の価値を見る眼

 お客様にとっての価値は何か、を探る時には自分の価値観や判断基準を一度は脇に置かなければならない。
 例えば盗癖のある人へ支援をするとする。盗癖行動の理由を考え、その原因を仮定しそれに対する認知行動療法などの手法を駆使して盗癖をなくすように努めるであろう。しかし盗癖のある人は、盗むという行動では壊れない価値観、私たちには想像もつかない別の価値観を持っているのであろう。ではこの価値観は一体どういうものだろうか。盗むという行動で得たい価値とはどういうものだろうか(※20)
 これが顧客の価値を見る眼である。お客様は尊敬できる人を「価値あるもの」として認識する。同時に私たちもお客様の価値観を尊敬することでその中身を探ることができると言えよう。目に見える行動(この場合は盗むこと)に惑わされずに何にも代えがたい価値は何かを追求しなければならない。
 お客様は「人生指南」をする私たちの価値観とは別の価値観を持つと仮定して「就職をして(障害者雇用をして)お客様の人生がいかに輝くか」「就職した後(障害者雇用をした後)どんな未来が待っているか」という観点から顧客価値を考えよう(※21)。さらにお客様を「時間軸」のなかでとらえることが大切である。目の前のお客様が30歳であるとすると、その方には30年間の人生がそれまでには存在したのである。また今この瞬間以降も長い人生を歩まれる。この時間の流れに心を留めることにより顧客価値を四次元でとらえることができるのである。

 1-6項で示した、自分の能力は固定的で変わらないという信念(硬直マインドセット)は「できないという先入観」に結びつきやすい。この先入観は、可能を不可能にしてしまう恐るべき敵である(※22)。様々な能力のある方々の努力の可能性を見限ってはならない。また加えて、支援に従事する自分自身の可能性についてもできないという先入観を持ってはならない。今までの障害者支援の歴史の中で実現できなかった事実ですら、これからの「できない」を証明することにはならない。今まで誰も出来なかったことを実現するのはあらゆる可能性を信じて挑戦する人によってである。これは価値創造マネジメントを進める拠り所となる。
 お客様にとって就職(障害者雇用)は手段であって目的ではない。私たちが就職(障害者雇用)をお客様にとっての目的ととらえると、本当の目的を見失いお客様の価値観をとらえ損なうことになる。
 私たちに「素直な心 困難に立ち向かう心 思いやりの心の大和心で行動する」という態度が求められるゆえんである。

(※20「クライアント(相談者)の問題は、カウンセリングによってすべて解決されるだろうと期待しているわけではないし、それを望ましい目標として仮定しているわけでもない。満足のいく生活とは、問題のない人生の中にあるのではなく、絶えず果敢に問題解決に臨むことから得られる一貫した目的と根本的な自信が伴った人生にあるのである。心理療法を通して得られるのは、この一貫した目的であり、人生や障害に立ち向かう勇気である。」ロジャーズ,C.R(末武康弘・他訳)『カウンセリングと心理療法』より 岩崎学術出版社
 問題を解決してあげることが重要なのではなく、できることは、相手の自己対話のための空間づくりのため、ただそのサポートをするということ。相手が成長するための「悩み」を奪うことは許されない)
 この注記は、アービンジャー公認ファシリテーター、「関係力」コーチ&「部下との面談」コンサルタント 佐藤真一氏のメルマガ【箱×関係力】部下との人間関係が劇的に変わる箱の法則 2016/03/14 からの引用。

(※21「「この商品を身にまとうとお客様の人生がいかに輝くか」。トップセールスはいつもそんな想像をしながら接客をしています。」大极勝『商品よりも「あと味」を先に売りなさい』日本実業出版社 2013.12 p31 「商品を購入してくださるお客様の一番の関心ごと。それは「商品を購入した後に、どんな未来が待っているのか?」ということです。」前掲書p171)

(※22「勉強だけじゃないわ。人生のあらゆることに対して。たった十数年生きただけで『私はこういう人間だから、私にはこんなことはできない』なんて勝手に決めつけちゃう。そうなると、どんな簡単なことだってできなくなってしまうのよ」「多くの人は、昨日までできなかったことを理由に、自分は一生それができない人間だと決めつけてしまうの。昨日までできなかったという事実が、今日もできないという理由になんかならないのよ。そうしてはいけないの。人間は日々成長して変わっているんだから。」喜多川泰『君と会えたから……』ディスカバー・トゥエンティワン 2012 pp125-126)

お客様感謝デーのコンセプト

 「保護者会・保護者説明会」は、平成19年度以降『ファン感謝デー』、平成23年度以降『お客様感謝デー』として開催してきた。平成31年度以降も光明会の事業を利用される方とその家族、障害者雇用企業、また当法人事業に協力してくださる取引先企業・行政・学校・福祉施設等関係機関へ向けて当法人を挙げて感謝の思いを目に見える形で伝える目的で開催する。
 価値創造マネジメントにより、各お客様感謝デーのコンセプトを確定する。

2-4 成果の姿

 事業が成果を上げているとき、その組織は社会に貢献していると認められる。光明会が事業で成果を上げ社会に貢献していれば、様々な能力のある方々とその家族、企業、行政機関、医療機関、教育機関そして地域住民が「障害福祉サービス」と「仕事道サービス」を利用したいときに最初に想いつく事業所(地域一番店)になる。作業商品についても同様である。このとき光明会ブランドが確立している(お客様の心の中に存在している)と評価できよう。社会における市場価値(消費者が光明会に対して持つ相対的好感度)を高め、維持し続けなければならない。
 一方、現在遂行している事業が十分な成果を出していないならば、そのやり方(手順)を変えよう。そのためには従来からの常識的な仕事の手順を疑う眼力を持とう。そのために異業種に学ぶ姿勢が大切である。福祉の職場以外で働く友人をたくさん作り、大切にしよう。「福祉のことが全く分かってない!」と感じるその人こそが、私たちに貴重なセカンドオピニオンをもたらすのである。セカンドオピニオンを保証することは、個別支援計画の有効性を維持するためにも必要なことである。
 光明会が、事業を通じて獲得すべき成果とは何かを以下に示す。

2-4-1 障害者の就職支援・雇用支援「人生指南」の成果

 就職支援とは、失業からの脱出支援である。人はなぜ失業から脱しなければならないか。  一つには、仕事をすることで「尽くし与える」という人間の使命が果たせるからである。このことは仕事を通じて収入等望むものを得ようという自分本位の視点とは異なり、自分と人との幸福実現を同時に達成しようという全体調和の視点である。もう一つは、失業は人との絆がないことを意味するからである。就職先の企業の事業のお客様(消費者)との絆、職場の同僚との絆、地域の人々からの信頼、年少者(子ども)や後輩からの憧れ、これらは仕事を続けることによって得られる。仕事の形態は「企業就職」だけではないのはもちろんであるが、企業就職を望む方への支援の成果の姿は「就職」である。  また地域生活定着支援事業(千葉県では平成22年10月に当該事業を「生活サポート千葉」に運営委託)では就職支援(経済的収入確保の支援)が重要な第一歩(「仕事道サービス」が併せて必要であることは言うまでもない)であるから、当該事業に協力する。
 平成27年4月に施行された生活困窮者自立支援法に基づく事業もまた同様に就職支援が重要な要素となるから、平成31年度は八街市から受託し取り組む。

 雇用支援とは、就職継続支援・定期支援のことである。長年、障害者雇用における実雇用率(平成29年6月1日調査では民間企業は1.97%)(※23)が法定雇用率(民間企業は平成30年4月1日から2.2%)を上回らないのは離職率が高いことと、私たちが離職を防ぐ効果的支援の成果を上げていないからである。雇用支援の成果の姿は、永く雇用することを望む企業と永く働き続けることを望む様々な能力ある方々がともに安心できる「雇用継続(勤続)」である。

 「人生に仕事がある喜び」を提供し「仕事のある充実した人生」を創造する「人生指南」には「仕事道サービス」の提供が不可欠である。これは、仕事のある人生を他の人と共有していると実感できる場の提供ともいえる。さらに自らこの場を作り出す力が得られるよう配慮・工夫(雇用側にとっては合理的配慮)を追求する。  仕事道サービスの成果の姿は、就職継続(と雇用継続)である。その指標は就職継続率(離職率)(※24)と平均就職月数(※25)で測定する。

就職の定義(就職者として計上するルール)

(価値創造マネジメントにより再定義を試みるものとする)
[障害者就業・生活支援センター]

  1. センターに登録されていること(アセスメントが実施され、その記録が適切に保管されていること)
  2. 個別支援計画が策定され、そのシートが適切に見直されていること、その記録が適切に保管されていること。
  3. 企業と、当該就職支援(雇用支援)ケースについての打合せ(必要に応じて、ハローワーク、特別支援学校、就労移行支援事業所、職業センター、JC等を含めたケース会議)の開催実態があり、その記録があること。
  4. 採用面接(実習等を含む)に同行し、その支援記録があること。
  5. 雇用契約に立ち会っていること。
  6. フォローアップ(勤続支援)の計画(個別支援計画)が作成され(必須)、その計画等に基づく雇用後の支援が必要に応じて実施されていること。
  7. 転退職の際の相談、受付、連絡体制がとられていること。
  8. 上記1~7の条件に合致しない支援を否定するものではないが、センター支援による就職者としての計上には含めないこと。

[センター登録者の定義(上記1項に関連して)]

  1. アセスメントが実施され、その記録が適切に保管されていること
  2. 個別支援計画が策定され、そのシートが適切に見直されていること、その記録が適切に保管されていること。
  3. 今後6か月以内の1回以上の支援予定が明確にされていること。
  4. 過去1年以内に1回以上の支援実績があり、その記録が適切に保管されていること。この支援実績は、少なくとも本人との面談を伴うものであり、センターからの勤務先等への一方的な電話での状態伺いや、DMの発信、年賀状等季節伺いの書状発信は否定するものではないが、支援実績には含めないこと。
  5. 上記の条件を満たさなくても、登録名簿から抹消しなくてもよいが、登録者としての計上には含めないこと。

[就労移行支援事業]

  1. 障害福祉サービス利用契約が締結されていること。
  2. 個別支援計画が策定され、そのシートが適切に見直されていること、その記録が適切に保管されていること。
  3. 企業と、当該就職支援(雇用支援)ケースについての打合せ(必要に応じて、障害者就業・生活支援センター、ハローワーク、特別支援学校、他の就労移行支援事業所、職業センター、JC等を含めたケース会議)の開催実態があり、その記録があること。
  4. 採用面接(実習等を含む)に同行し、その支援記録があること。
  5. 雇用契約に係る支援を実施しその支援記録があること。就職前に就労定着支援事業の説明がなされ、利用契約が締結されていることが望ましい。
  6. 雇用後6か月間のフォローアップ(勤続支援)の計画(個別支援計画)が作成され(必須)、その計画等に基づく雇用後の支援が必要に応じて実施されていること。
  7. 転退職の際の相談、受付、連絡体制がとられていること。
  8. 上記1~7の条件に合致しない支援を否定するものではない。

[参考:就労定着支援事業]

  1. 障害福祉サービス利用契約が締結されていること。利用開始が就職後6か月目となることから、就職前に就労定着支援事業の説明がなされ、利用契約が締結されていることが望ましい。
  2. 個別支援計画が策定され、そのシートが適切に見直されていること、その記録が適切に保管されていること。
  3. 訪問面接が毎月1回以上実施され、その記録があること。
  4. 必要に応じキャリアアップの転職支援(空白期間は1か月以内となることが望ましい)や特に、就職先企業の倒産の場合には速やかな再就職支援がなされ、その記録があること。
  5. 利用期間は上限が3年、利用契約は1年ごとの更新となるので、契約更新の案内が適時になされ、契約が継続することが望ましい。
  6. 契約期間終了後は、センター登録とともにセンター支援に接続するよう連携がされ、その記録があること。

(※23 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000187661.html)

(※24 離職率は「特定の1年間に退職した労働者の、年初における全労働者に対する割合」である(離職率= 減少労働者数÷年初の全労働者数×100)。他方、総務省統計局の「就業構造基本調査」では、「離職者」について「1年前には仕事をしていたが、その仕事をやめて、現在は仕事を『していない』者」と定義されている。また、厚生労働省の「毎月勤労調査統計」は、1カ月間の離職者数を前月末時点の雇用者数で除した割合(パーセント表示)である。光明会では、[離職率=(光明会の就労移行支援事業(就労継続支援事業を含む)を経て就職した人(以下「就職者」という。)のうち当該年度の離職者数)÷(就職者のうち期首就業者数+期中就職者数)](同一者の年度内複数就離職は重複カウントをする)と定義し、年度末に算出するものとする。なお、就職継続率とは(1-離職率)である。離職率の算出は単年度分の他、平成28年度からの累積分を算出する。小数点第一位まで求める。) 参考値として光明会全体(上記就労移行支援事業等に障害者就業・生活支援センターによる成果を含めたもの)も算出する。

(※25 平均就職月数は、年度末の就職者の同一企業継続勤務月数(1月未満の端数は切り捨て)の合計を就職者の人数で除した数。小数点第一位まで求める。)

2-4-2 相談支援事業の成果

平成19年1月から障害者支援施設「就職するなら明朗塾」に併設している相談支援(平成24年度からは地域相談支援(地域移行支援・地域定着支援)、計画相談支援、障害児相談支援)事業を継続する。この中で八街市自立支援協議会の運営に関しては、この協議会の意義を地域に不足している社会資源の開拓、特に将来の相談支援事業を担う人材育成のしくみ作りに位置づけ、当事者団体、福祉サービス事業所、行政機関、教育機関、企業とのネットワーク化を目指してきた。平成20年度から設置した「おとな部会」「こども部会」「はたらく部会」(平成29年度から「はたらく部会」は「おとな部会」に併合)、平成26年度から設置した「八街市相談支援専門員連絡会」が、平成31年度から設置した「くらし部会」がそれぞれの機能と役割に基づく活動に集中し、特に権利擁護や虐待防止に関する活動を充実させる。
 また、平成26年10月から「就職するなら明朗アカデミー・成田キャンパス」に併設している相談支援事業を継続する。
 相談支援事業の成果の姿は、相談者の障害福祉サービス利用に関する不安とさまよいを払拭した安心と納得の「障害福祉サービス等利用計画の提供」およびその有効性を確保するための「モニタリングの実施」である。また価値創造マネジメントにより、市場調査と営業の役割を相談専門支援員に位置づけ、別途成果の姿を定義するものとする。

2-4-3 就労支援事業(授産事業)の成果

 就労支援事業は、配食・ケータリング、ファーム、ファクトリー、請負作業(施設外就労を含む)で構成する。前三者は地域の方々(消費者)がお客様である。受託作業(官公需を含む)は発注企業・行政機関がお客様である。就労支援事業の成果の姿は、お客様の満足を求めるB型の利用顧客が主体的に設定した目標の達成とする。価値提供マネジメントにより、工賃額でない目標設定の支援を行う。
 生産物を購入する地域の消費者の買上金と発注企業・行政機関からの発注額の合計が、支払工賃の原資となる。そして、消費者・発注企業の満足の引き換えである売上金を原資とする就労継続支援事業B型の利用顧客への支払工賃は平成30年度以降の事業報酬算定の基礎となる。しかしながら工賃はB型の利用顧客にとって目的ではなく結果である。私たちは「工賃向上のために何をするか」ではなく「どのような行動と情報発信によって(誰の)満足がもたらされるか」と考えよう。そしてB型の利用顧客が主体的に目標を設定し、消費者・発注企業の満足の姿を実感するために、ワークミッションを初めとして日々の作業ミーティングにおいて繰り返しかつ丁寧に消費者・発注企業の価値情報を伝えよう。
 報酬規程は、この目標設定及びその達成を目指す態度とプロセスを評価するものでなければならない。
 個々の利用顧客の働く意欲と態度を育てるための見立てと個別支援計画に基づく評価は、報酬規程に従う。また報酬は金銭のみではないことを明確に定義するとともに、見えないもの(敬意や承認、権限付与)を見えるもの(お金や物品)以上に大切に考える規定としなければならない。作業評価における「工賃」を強調しすぎてしまえば、2-2-1項で示したとおり、働くことは、自分が成功の人生を送る方法ではなく、他人に成功の人生を与える方法であり、働くことは単に自らの所得を得ることには留まらないにもかかわらず、働いた成果はお金のみであることを伝えてしまっていることになる。当然、1-6項でも示したとおり、作業の成果が本人の才能によるものではなく日々の努力によるものと示さなければならない。作業評価は毎月行うものであるが、B型の利用顧客ケース・カンファレンスと連動させなければならないから、担当職員による単独作業で済ませてはならない。
 作業評価(利用顧客の行動に対する評価とともに職員自身の支援に対する評価でもある)の基準として、働く意欲と態度を育てるために生産工学の観点から菅野敦東京学芸大学教授の提唱する、態度の獲得レベルを示す「働く態度の6領域」(※26)を踏まえた作業環境調整と作業指示を前提としなければならない。職員がB型の利用顧客とともに作業に従事する目的は、顧客の作業パフォーマンス(働く意欲と態度)を高めるためである。この目的を果たせなければ、職員は利用顧客と同額の報酬を受けることとなる。
 就労支援事業のうち特にファーム事業(農産物の生産・収穫)は「命を育む」「命をいただく」という人類生存の根本を自然への畏敬の中で展開する農業実践の場である。また、農業の基本的意義は国土保全である。命を育む良好な農地を次代に継承することである。法人立地の優位性を十分活かし地域活性化の先駆けとなることにより地域コミュニティの醸成を目指すことで、就職の場を第1次産業へ拡大展開することが可能になる。農業のプロ育成プログラムの開発と「人生に仕事がある喜び」を提供し「仕事のある充実した人生」を創造する「人生指南」との融合を図る体制づくりがファーム事業の取り組むべき課題である。

(※26 菅野敦先生は働く態度の領域を下表のように説明する。表作成は内藤晃による)

成長
レベル
キーワード 説  明 自己肯定感の
獲得
作業状態の外観
  勤労の意義 最終的:達成の喜びを味わい生き甲斐を感じる:感受性 機能レベルの自己肯定感
(社会的・相対的な自己理解)
「他人の役に立つ・まんざらでもない自分」
 
協調・協力
(共同作業)
話し合いにより職場全体での生産調整や配置換えができる [専門的一人作業:セル方式(職業としての仕事)]
柔軟性・多様性
(環境整備・正確)
品質向上や効率性・生産性向上に向けた工程の調整や技術向上に取り組める [職場全体の分担:ライン工程の全体理解/俯瞰]
責任性
(集中・持続)
集中力を持続させ正確に責任持って取り組める [分担作業の遂行:ライン工程の導入]
積極性
(意欲)
自主的な意欲で主体的に作業に役割感を持って取り組める
自律
(規律・報告)
安全・衛生のために規律を守り報告・連絡・相談ができる。準備・片づけ(次の準備) 存在レベルの自己肯定感
(個人的・絶対的な他者からの評価)
「今の自分でいい、安心して受け入れられている安心感」
[一人作業の遂行:セル方式]
感受性
(達成感)
勤労の目的と尊さを知る

◎就労支援事業(作業)と就労移行支援事業の構成

就労継続支援事業B型 就労移行支援事業
就労支援事業(授産事業)
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2-4-4 生活関連支援の成果

 2-3項でお客様の価値観を認識する上での留意点について述べたが、生活関連支援は常にお客様の価値観の尊重を基本としなければならない(※27)。  当たり前のことと期待される支援のレベルを超えるには、お客様の価値観での期待値が把握できなければならない。様々な能力のある方々にとって心の拠り所となり、驚きと発見がある支援を展開するには、常にお客様に向けた意識と温かい眼差しが必要である。「今日はこんなこと言って褒めてもらえた!とお客様がご家族に笑顔で報告した。さてあなたは何と言ったのでしょうか?」このような自問を通じながらお客様への「おもてなし」を企画し実践しよう。

 生活関連支援の目的は、お客様の心を磨くところにある。一人ひとりのお客様が人間性を高め社会貢献に真摯に取り組むには、感謝と報恩の心が不可欠であるが、それは日々心を磨き、己に克つ行動の積み重ねが欠かせない。しかし人間は弱い生き物である。自分に甘く、しかし他人に厳しく迫るものである。「時を守り 場を浄め 礼を正す(3-1-8項)」ことが心磨きの指針である。  お客様の心磨きの修行の場を提供することが生活関連支援の目的であると言い換えられよう。ところが、お客様の心の修行の道場でもある施設の維持管理体制があまりに脆弱である。居住空間の立て直しと清潔の維持、空間の美、張りつめた空気感・清涼感の提供の保証はお客様に対する最低限の義務である。人間の一番弱い部分、汚い部分から目を背けての支援は成り立たない。同様に居住空間、特にトイレをはじめとする「一番汚れている、一番見たくないところの掃除」から目を背けていては、高い人間性追求はとうてい無理である。勇気をもって立ち向かおう。「徹底的に掃除をしよう、そして見違えるようになった居住空間を作り出そう」。

 知的障害や精神障害による強い不安からくる言動は、支援者を含めた周囲からは理解と受容が難しく、それが故に支援計画が立てにくい面がある。お客様の発するメッセージを読み取れないからである。しかしながら福祉専門職としては、この状態を放置してはならない。様々な能力のある方々の思いを理解できないまま「これが障害である」と片付けてしまうことは、支援者としての敗北である。特に自閉症スペクトラムに関しては、TEACCHの療育技法の根底にある理念・哲学の理解が求められる。すなわち、保護者のニーズとの調整、社会への適応力向上を目指した本人または環境側からの調整、徹底した個別対応の前提として必要となる診断・評価、本人が社会適応力を身につけやすくするための環境設定の工夫(構造化)、認知理論と行動理論の活用、達成感そのものが動機付けになる(そのために相互の敬意と好意が不可欠となる)レベルの課題設定、しかし本人への関わり方を特定の分野のみとせずに全体的にそして生涯的に見ていく視点等をもっての支援のあり方の追求と試行錯誤を繰り返しての行動実践が大切なのである(※28)。併せて支援実践者から素直に学び、強い不安が取り除かれたお客様の安寧の笑顔を求め続けよう。

 個別支援計画は、職員による徹底した個別対応の意思表明である。個別支援計画に盛り込む職員の行動計画が目指す「目標」は個々異なるものであるが、それは、様々な能力のある方々が周囲の期待に応えてみんなと同じようになるためのものではない。「目標」に「平均値」を潜り込ませてはならない。それは平均的な人間は誰もいないからである(※29)。となると、すべて同じフォーマットで個別支援計画書を作成しようとすることに無理がある。この点から個別支援計画の見直しを追求し続けよう。個別支援においては、個性重視と成果重視・組織目的重視(効率性重視)との間で思い悩むプロセスを切り捨ててはならない。行動の評価は可能だが、それだけでその行動をした人の評価に直結させてはならない。また人間の才能には、複数の側面があり、家族や仲間と補完し合うことでも成果が上がるものであるから、個別支援計画の焦点を対象のお客様個人にだけ当てるのも不十分であると言わざるを得ない。さらに人が見せる特質は個性とともに置かれた状況に応じて変化するから、職員が目撃した姿は本人の一面に過ぎない。成長のスピードもキャリアアップのルートや学びゆく順番もまたその最適は人により異なるのである。

 施設入所支援事業、共同生活援助事業の利用顧客にとって生活自治は重要である。自治とは何か。辞書で引けば「自分や自分たちに関することを自らの責任において処理すること」であるが、大切な要素は、コミュニティに所属する一員としての振る舞い・態度に尊厳とともに存在する確かな責任である。  1-5項に示したように、すべての構成員がある価値に基づく目的、手段とともにルールを共有するのがコミュニティであるが、コミュニティの創造には、同時にコミュニティから外れ、逸脱する人を生み出すというパラドクスを併せ持つ。このことの解決に向けては、自分以外の構成員(構成員でない者を含めて)の価値に対する理解と共感が不可欠になる。結果として、自らの利害損得を主張し、自分にとっての利得を獲得し、自分だけが暮らしやすい(もっともこのような極端な主張を隠すために、最大多数の最大幸福(※30)を持ち出すであろうが)ルールを求めることは許されないこととなる。したがって、コミュニティに所属する「自分以外」の人々にとって住みやすくなるために自らが主体的に従うルールづくりが成立している状態を「自治」と呼ぶべきなのである。2-2-1項で示した、働くことは、自分が成功の人生を送る方法ではなく、他人の人生に成功をもたらす方法というとらえ方とも共通する。

 生活関連支援の成果は、お客様の満足度であるが、その測定尺度は障害福祉サービス事業の利用率とする。

(※27「信頼とは、相手の発言や行動を見て、それが信頼できるかどうかではない。相手をそのまま受け入れること。つまり、思いどおりにならない相手をこちらが信頼すること」(福島正伸『どん底から最高の仕事を手に入れるたった1つの習慣』中経出版 2013.8 p116))

(※28 内山登紀夫『本当のTEACCH』学研 2006 より。TEACCHとは、Treatment and Education of Autistic and related Communication Handicapped CHildren(自閉症とコミュニケーションに支援を必要とする子どものための治療と教育。ティーチと読む。米ノースカロライナ州で実施されている、自閉症等コミュニケーションに障害のある子供達やその家族への包括的対策プログラム)。株式会社アスム療育・研修センターは、TEACCHから学んだ臨床心理士や自閉症スペクトラム支援士・自閉症スペクトラム児の保護者により、自閉症スペクトラムの特性を把握し、それに基づいた療育の考え方、具体的な子育て、療育のあり方を提供している。 https://www.aasem-center.com/ )

(※29 トッド・ローズ『平均思考は捨てなさい』(原題:The End of Average)早川書房 2017.5 より。様々な能力のある方を社会の教育システムに乗せて成長促進を図るという手法が必ずしも有効ではないことから、個性(個別性)の重視を追求しよう。平均値が正常値を指し示すわけではない。「平均にできるだけ近づくことを求め、他人と異なる場合は秀でることだけを期待」(前掲書p65)するものである。「人生のあらゆる側面において、そしていかなるゴールを目指そうとも、同じゴールにたどり着く道はいくつもあって、しかもどれも妥当な方法」「最適な経路は個性によって決定される」(前掲書P166)

(※30 功利主義の原理を確立したジェレミー・ベンサム(1748-1832)は、道徳の至高の原理は幸福、すなわち苦痛に対する快楽の割合を最大化にすることだという。効用の最大化は、個人だけでなく立法者の原理でもあり、コミュニティ全体の幸福を最大にするためあらゆる手段を執るべきとした。しかしこの原理が個人の尊厳を十分に尊重していないこと、道徳的に重要なすべてのことを快楽と苦痛という単一の尺度に還元することに無理があるとし、ジョン・スチュアート・ミル(1806-1873)は、人間は他人に危害を及ぼさない限り、自分の望むいかなる行動をしようとも自由であるべきとしつつ、効用は長期的観点からの最大化をすべきであること、効用そのものとは無関係な人間の尊厳や人格、快楽の質といった道徳適理念により修正した。マイケル・サンデル『これからの「正義」の話をしよう』早川書房 2010 pp48,66-76)

2-4-5 生活介護事業の成果

 1-1項で述べたとおり、平均余命が伸び続けている今日、65歳を超えても働き続ける姿は常態になっていく。となると障害福祉サービスか介護サービスか、の議論の前に、誰もが80歳、90歳まで普通に働く時代に65歳からの障害福祉サービスの意義と目的の探求が求められることになる。
 障害者の高齢化に対しては、介護が必要な高齢者も障害者もケアする「共生型サービス」が示されているが、これとは別のアプローチで、様々な能力ある方々への人生設計支援が必要である。例えば、65歳からの新規事業、新規就職、新規教育(入学)という選択肢を福祉施設・事業所は示すことが求められる。
 この観点から、生活介護事業の成果は、生活介護事業の利用顧客の人生設計とその設計した計画に基づく人間としての修身への取り組みに置く。具体的には、身を修める、場を浄める、を徹底することで実現する。
 吉田松陰が当時松下村塾の名で私塾を営んでいた久保五郎左衛門に書き送った『松下村塾記』にある「学は人たる所以(ゆえん)を学ぶなり」(※31)という言葉は、学問とは、(人が)人である理由を学ぶことであるというものである。
 学ぶのは知識を得るためでもなく、職を得るためでもなく、己を磨くためである。お役に立つため、役目を果たすために留まらず、世の中のために自分がすべきことを知るためである。だからこそ人間が人間である理由は、立志にある。そして、知行合一、自分で自分を磨く、至誠がそれとともに重要なキーワードである。
 就職を支援の主流に置いてきた当法人にあって、十分に配慮しなければならないことは「働けない」=「負け」の意識を持ってしまうことである。あるいは、ADLの低下による何らかの制限が生じたことへのカバーが生活介護であると思い込んでしまうことである。
 生活介護事業は、人生において一般労働市場における就職をもってしても果たしきれなかった人間としての成長の機会をとらえて、その実現に挑戦するところにこそ真の意義がある。人としてのあり方を追求することがすなわち生活介護事業のあり方である。あらためて「働く、仕事=人に尽くす」という視点を確実にしたい。
 人生設計と人間を磨く修行の実践は、人間としてすべての人が向き合うものであるから、その意味で生活介護事業は障害者支援全般に通じるものである。
 とはいえ、加齢等によるADLの低下は現実に生じているのであり、職員はこの支援への専門性が求められる。職員に求められる技能は「構造化」にその主軸を置くものとする。

(※31 池田諭『松下村塾』社会思想社 現代教養文庫 1984 pp262-264)

2-5 お客様の求める価値と事業のコア・コンピテンシー

 価値創造マネジメントと価値提供マネジメントとの連動により、お客様の求める価値に見合う成果を上げるには、光明会のすべての職員の強みの発揮が前提となる。組織の強みをすべての職員が共有するとき、それは他の追随を許さない圧倒的なもの(コア・コンピテンシー)となる。組織の強みを発揮し、すべての職員がその成果を発揮するためにどのような志で行動をすべきか、の観点から自らの学習・成長の道を検討しよう。これは光明会の事業の使命と職員個人の使命との共存を図ることである。直接的にこの共有を図る場として「法人デザインスクール」がある。(2-1項)
 さらにコア・コンピテンシーは単に超越したスキルの発揮のことではなく、高い人間性の発揚との両軸で実現するものである。つまり[強み×人間性]でコア・コンピテンシーは決まるから、コア・コンピテンシーとは、三魂すなわち「喜んで大変な道を選ぶ志」「成否を問わず善を為す気概」「他者の行動を待つことなく自らの責任のもとに行動をする自発」に裏付けられるのである。コア・コンピテンシーの本質は目に見えるものにはなく、いわば水面下に隠れる氷山のようにそれに関わる人の志や行動のプロセスに存在する不可視エネルギーの総体なのである。
 以下に詳述する光明会のコア・コンピテンシーを積極的に外部に伝道する理由は、これを必要とするお客様の求める価値と光明会の求める成果とが一致しているかどうかの評価主体は、光明会にあるのではなく外部の社会にあるからである。

2-5-1 就職支援活動と仕事道サービスの提供

 仕事と作業は別である。作業は一人でもできるが、仕事は一人ではできない。2-4-4項で紹介した福島正伸氏は「人は誰しも、一人だけで幸せになることはできない。幸せは人と人との関わり合いの中で自分の存在が必要とされ、感謝されることによって生まれるものだからだ。それは、自分の存在価値の実感そのものである」(※32)という。
 価値創造マネジメントにより、光明会がコミットする「仕事のある充実した人生を創造する支援を通じた新しい顧客価値を創造」を伝えていく「仕組みづくり」を追求する。このことが就労意欲喚起に通じるからである。
 「仕組み」の中身は本人・家族・企業への手厚い情報提供である。就業・生活支援センター職員、ジョブコーチ、企業支援員、就労支援員が雇用支援・就職支援の前線に立つが、すべての法人職員がこれら関係職員の活動を支えよう。仕事道サービスの開発と提供もまたすべての法人職員で協力しよう。
 「一人前の仕事」とは「一人で仕事をすること」ではない。「作業」には、一人で遂行しなければならないものがある。しかしながら「仕事」は一人では完遂できないものである。すべての仕事には、仲間と協力するという手順、仲間の成果を評価するという手順が存在しなければならない。

 また、様々な能力ある方々(求職者)が企業で働く姿や職場の中でのポジション(人の役に立ち、人に認められている状態)を、施設内での生活の姿や失業中の姿から類推してはならない。2-3項で「できないという先入観」にとらわれてはならないことを強調したとおり、未だ就職したことのない方々の「仕事中の姿」が就職によりどのように変容するかは未知であることを前提に、施設内の一部に企業と同様の環境を作り上げること(めいろうルック、通勤時や勤務時のスーツ着用、理美容や歯の治療など身だしなみや礼儀正しい言葉遣い、笑顔あふれる顔つき、立位作業等凜とした立ち居振る舞い)を追求しよう。

 個別支援計画(※33)に基づき、企業に就職するためのビジネスマナー研修、履歴書作成、面接訓練等ジョブガイダンスの他にも、SST(社会生活技能訓練)、WRAP(元気回復行動プラン)、PC操作技能訓練、自転車や歩行者の交通安全ルール、健康維持(服薬の自己管理)、消費者教育、性教育を含めた他者との尊厳ある関係づくり、余暇活動(※34)など様々な側面において他者と関わりながら生活リズムを維持する上で必要な情報の提供、ハローワークでの求職登録、求職活動、企業見学、公共交通機関を使っての通勤経路調査及び確認などのフィールドワークや新しく開発する仕事道サービス(の一部)を「めいろうワークミッション」として系統的に企画・実施する。
 仕事道サービスとして「仕事のある充実した人生」を創造する支援の開発は「就労移行支援事業会議」の主たるテーマとする。

 さらに様々な能力ある方々とその家族への求人情報の提供に重点を置く。そのために障害特性によって求人情報の内容を十分に理解・活用できないお客様に対して、個別コミュニケーションが必要とされる。
 支援職員に求められているのは、求人情報をもとに適材を見つけることではなく、求人情報をできるだけ多くの方に伝え、就職へ向けた行動(職場見学・職場実習・採用面接)を創り出すことである。
 法定雇用率制度に基づき障害者雇用に取り組む企業の「障害者観」「障害者の労働力観」は、福祉施設の支援職員が持つそれとは異なる。福祉施設と企業のそれぞれの世界が異なるから当然である。また、実は支援職員もまた目の前にいるお客様がこれから就職する職場での働く姿を見ているわけではない。
 就職によってどのような変化が起こるか本人はもとよりその家族にもよくわからないことを再認識すべきである。支援職員が適材適所という発想をすることでかえってお客様に対して「ハードル」を突きつけることになるから適材を見つけようという発想をしてはならない。
 なお「就職するなら明朗アカデミー・各キャンパス」においては、価値創造マネジメントにより、従来型の「作業を通じて就職を目指す」スタイルとは別の就職支援カリキュラムを開発・提供する。すなわち公文式学習、SST、短期集中型パソコン操作資格取得プログラム、簿記会計資格取得プログラムや各種講座、実効性の高い企業見学等に加え、従来提供していなかった新しいサービス開発とその提供を通じて就労意欲の喚起と就職機会の創出を目指す。

 様々な能力ある方々の雇用を進める上では、就職や職場適応など就業面の支援ばかりでなく、生活習慣の形成や日常生活の管理など生活支援も重要であり、就業面及び生活面での一体的かつ総合的な支援の提供が必要である。この支援が「仕事道サービス」そのものである。障害者雇用企業が主体的に社員の勤続及びこれに伴う日常生活、社会生活上のサポートに取り組むことが出来るよう「仕事道サービス」は企業を対象とする側面がある。
 また、就職により施設入所から地域生活(グループホーム)へ移行する利用契約者が増加するので、バックアップ施設の支援の充実を図りつつグループホーム(現在共同生活住居12ヵ所・定員38名)の増設を追求する(平成32年度以降)。と同時にグループホームの次に続く独立生活のスタイルについても試行する。

 価値創造マネジメントにより、障害者就業・生活支援センター事業のサービスを再開発する。また平成20年度から継続している企業支援員事業(千葉県)を引き続き受託する。  様々な能力ある方々への就職支援はいわば「入口」の支援であるが、毎年6月1日時点での障害者雇用の実績(実雇用率)調査を見れば就職支援そのものは困難なことではない。むしろ就職継続のための支援に十分な成果が見られていないのである。有効な支援手法は未開拓であると認識して、従来の方法にとらわれない方法を開発する。継続的支援(定期的支援)については「アクティブサポート」(依頼されてから応じるのではなく主体的能動的に計画し提供する支援)体制を継続的に改善する。
 特に企業との信頼関係構築のために、営業ツールを開発する。企業訪問は職員にとって「ストレス」と認識し、効果的な営業ツール(手紙→電話→訪問→再訪問(繰り返し)→信頼構築→紹介)の活用を仕組み化する。

(※32 福島正伸 前掲書 p246)

(※33 個別支援計画は、文字通り個人に向けた「あなただけへの私(たち)の支援計画」であるが、我が国において法定雇用率が達成しない原因を考えているときに、喜多川泰さんから教えられたこと、特に「なぜ勉強をするのか?」の問いにどう答えるかについて下表にまとめた。
 人は、独りではなくみんなと一緒に(仲間とともに)幸せになるのであるから、「あなただけ単独」を対象にした支援計画ではなく「仲間とともにいるあなた」を対象にした支援計画を作成しなければならない。つまり家族を含めた他者との関係性への支援が「個別支援」の本質なのである。そのため個別支援計画には人的関係の支援に関する項目を含めることとする。)

【考えるヒント】幸せになるために考えていること

成功している人(成果を得ている人) 成功したい人(成果を得たい人)
幸せは与えたもので決まると考えている 幸せは受け取ったもので決まると考えている
どれだけ人を喜ばせたかで人の価値は決まると考えている 何を手に入れてきたかで人の価値が決まると考えている
他人の幸せを最優先する
「他人が幸せでないと自分が幸せにはなれない」
「他人と一緒に幸せになれる」
自分の幸せを最優先する
「自分が先に幸せにならないと他人を幸せにできない」
今の状態に満足し感謝している 現状の中に改善要求(不満)を抱いている
これからの上昇を求め、期待している
過去のすべてや周囲のすべてに(自分を育ててくれたことに)感謝している(恩送りをしている) 過去や周囲の人の中に反省・改善すべき点はっきりと認識している(自虐という名の他虐)
自分の子どもが周囲の人々とともにみんな一緒に幸せになる生き方をすることを願っている 「自分の子どもだけには幸せになってもらいたい」と願っている

◎成功している人とは世の中に良き影響を及ぼしている人という意味である。ただし人物の評価は生きているうちに下されるものだけではない)

(※34「仕事は外向きの創造であり、余暇は内向きの創造だ。余暇はレクリエーションともいうがその余暇で再生すべきは、わたしたち自身のスピリットだ。よい仕事をすればそれだけ世界を豊かにすることができるのと同様に、よい余暇を過ごせば自分自身を豊かにできる。」ジョシュア・ハルバースタム『仕事と幸福、そして人生について(原題: WORK)』ディスカバー21 2009 p267「創造的な仕事と創造的な余暇は、相互に補完する。どちらか一方で充実した時間が過ごせれば、もう一方でも充実した時間をすごせる。創造性は、それ自体が報酬であり、それ自体が動機である」前掲書 p296)

雇用支援・就職支援の着眼点

(前提)
 就職するという目標を正しく理解しなければならない。就職とは、正しくは目標ではなく手段なのである。何を人生の目的とし、何を目標とするかを明確にしよう。多くの人を幸せにするために努力を惜しまない行動に挑戦し続け、多くの人から必要されることで人生の成功(達成感)は味わえる。そのために誰とともに力を合わせどのような行動をするか、が一つの会社に就職するという目標を引き出す。ところが目標を設定することにより、自分の前に「壁」が現れる。
 この壁を最短距離、最短時間で乗り越えられたかどうかではなく、どのようにして乗り越えたかというプロセスが大切である。壁の乗り越え方は最短が最良とは限らない。ただできるだけ大きな壁をたくさん乗り越える生き方を目指すべきである。壁の向こう側には壁を乗り越えた時に幸せになる人々が応援団として待っている。壁を乗り越えることを心待ちにしている。多くの人から必要とされるとはこういうことである。
 壁を乗り越えるのは手段である。就職するのは手段である。改めて誰をどのように幸せにするのか、そのために誰と力を合わせるのかという目的を明確にすることから始めよう。(※35)

(基本スタンス)
1 自ら変化しよう。障害者が変わればいい、企業が変わればいい、行政が変わればいい、制度が変わればいい、仲間のスタッフが変わればいいと考えるのではなく、自分がどう変われるか、昨日までの自分とどう今日は変わるか(新しい行動をするか)を考えて支援しよう。
 そのためによい人間性を身につけよう。第一歩は、時間を守り、凜とした立ち居振る舞いと礼儀正しいビジネスマナー(仕事上でお客様や仲間を思いやる気配り)を身につけよう。それは信頼を得るためである。就労支援スタッフが企業から歓迎されるには、様々な能力ある方々に関する知識・情報以外のところにポイントがある。支援スタッフが企業に歓迎されて初めて雇用が実現する。

※支援スタッフの外見→『めいろうルックの徹底』
          →訪問企業に歓迎される姿・格好をしよう。
          →「姿・格好」に無頓着なことが就職を阻害する。
 信頼されなければ本当の相談は来ない。多くの場合「うちは障害者雇用をしません」の真意は「あなたは信用するに足らないので、あなたには障害者雇用の相談はしません」である。

※障害者雇用の基準とは何か。

 企業の経営者・人事担当者に「光明会を辞めてうちの会社に転職しないか」と誘われるようになるほどの信頼を得たならば、その企業の障害者雇用に対する不安は消えているはずである。すなわち「あなたが応援してくれるなら安心して雇用してみよう」とあなたを信じている。
 このように様々な能力ある方々が働けるかどうかが雇用の基準ではなく、挑戦する勇気を引き出す信頼が支援スタッフと結ばれているかどうかが雇用の基準なのである。だからこそ目指すべきは、障害者の訓練ではなく、信頼感につながる気配りの修得なのである。

 支援スタッフの人数が多ければ多いほど就職の成果が上がる。とはいえ就職支援の現場では、個々のスタッフが分担するだけでは成果が上がらない。お互いがカバーし合うことが大切である。特に就職支援の仕事にはタイミングが重要だからである。
 お互いに協力して仕事の期限を守る姿勢こそ質の高い集団が持つ最大の力である。チームワークは意図して作らなければならない。チームワークの発揮が就職支援の実績を上げる。仲間の支援手法を批判する前に本気で手伝うこと。あなたが批判する仲間はあなたに対する会社からクレームをいつでもカバーしてくれている。チームワークを築くのは、リーダーではなく一人ひとりの責任と使命である。

(基本コンセプト)
2 障害者雇用・就職支援の顧客は「企業」である。企業は経営資源の一つの労働者として障害者を雇用する。顧客である企業のニーズ・ウォンツを把握した上で自分がどう応援できるか、どう尽くせるかを考えよう。
 その中に障害者雇用を勧める、というプランが浮かんだならば、アプローチ開始しよう。
 企業にとって正しくかつありがたい情報を提供しよう。法定雇用率に触れられたくないと感じる人にその話題を持ち出してはならない。障害者雇用の価値を示せないと、法定雇用率遵守のみに目が向いてしまう。そうではない価値観を示すには、雇用の先にある顧客価値とわれわれの成果の姿、計画を提示した上で、改めて障害者雇用の意義、価値を示さなければならない。

(お客様理解)
3 企業の創業理念、その社会的意義を学び続け、大好きになって尊敬しよう。その企業が取り組む事業の成果で幸せになる消費者の姿・笑顔を知らないまま、職場での「作業」を分解し、様々な能力ある方々に分担させようとすると、作業継続が困難になり離職を招く。大変な作業をする甲斐がなくなるからである。
 創業者の理念やその企業の存在(と提供する商品・サービスの価値)を心から必要とするお客様の存在と悦びの内情を実感できると「大変な作業」に耐え抜く使命感が抱ける。
 企業開拓とは「障害者にできる作業の切り出しや発見」ではない。就労意欲とは、自分が働く企業の創業者理念に共感し尊敬し、その会社の一員として多くの人の幸せのために自分の人生を捧げたいと強く願う気持ちのことである。また給料の金額で仕事や職場を評価することをしてはならない。たとえ低額な給料であってもその職業の社会に果たす役割が低いわけではない。働くことで企業から受け取れるものはお金と安定だけではなく、また企業に提供するものは時間と労働力だけではない(※18)

 上のモデル図が示すように、雇用・就職にあたってはまず、志や創業理念とマッチすることが基本であり、その上で、職場内の人間関係(リレーション)のマッチが考慮されるべきであり、作業(ジョブ)の適性判断は大切ではあるが、この前提となる志とリレーションのマッチングを考慮しないままジョブマッチを求めてはならない。
 そもそもジョブマッチングは、入社前ではなく入社をしてから実施するものであり、職場の社員全員の中での作業分担や割り当て(これを適材適所という。)がなされるものである。作業のボトルネックは常に動くものであるから作業分担は常に変更や調整が続けるべきものととらえなければならない。さらに作業能力の発揮度は職場の人間関係や合理的配慮の状況に依存する。だから、作業の難易度等に目を奪われて「無理に切り出した作業」に見合う人財の割り当てをしようとしても一時的な解決にしかならない。求人情報に合うと思われる人を選択すること(これを「一本釣り」と称することがある。)をしてはならない。
 それゆえ実習・見学の希望者を広く募り、希望者全員に機会を提供しよう(公平性の担保)。働く能力の第一歩は企業との接点を求める意欲のことである。
 さらに「就労支援者の気に入られることが最初の関門」「身近にいる支援スタッフが就労の一番の障害」となる可能性に気づこう。普段から「就職したいなら、就労支援の担当職員に頼みなさい」と言ってはならない。

(求人票の書き方が変わるサポートをしよう)
4 求人票は企業の志(創業理念)、職場の状況(人間模様の特長)に続いて作業(ジョブ)が記載されるべきものである。そのすべてを支援スタッフは読み取ろう。書かれていなければ、会社のホームページのリサーチや直接ヒアリングをしなければならない。決して作業内容だけに着目してはならない。
 労働者の働く能力の発揮度は、職場の人間関係や合理的配慮の状況に応じて千差万別である。求人票を作成する企業担当者に、多くの求職者の卓越した強みの情報や求職者本人と直接出会う機会を提供して、企業の求人内容に変化をもたらすサポートをしよう。
 そのために支援スタッフは何度も繰り返して企業担当者と面談等接触を積み重ねなくてはならない。

(選択プロセスを大切にしよう)
5 企業に対してできるだけ多くの求職者を紹介し、採用時の選択権を保証しよう。
 陳列量決定の法則・最低陳列量(最低陳列量を割れば商品はあってもお客様は「欠品」と感じる)の概念を援用しよう。できるだけ多くの求職者を紹介するためには、法人内の事業所だけでなく他の事業所との連携が不可欠となる。求職者にだけ目が向いていると、すぐに採用面接等へつなぎたくなるものだが、私たちの顧客である雇用企業に目が向いているならば、求職者をもっと増やすにはどうするかと考えて行動できるはずである。

(商品開発になぞらえた障害者支援) 6 仕事とは、人のために、将来のために尽くし与えることを志す生き方の表現の一つである。仕事のある充実した人生を他の社員と共に創造するためには、勤労を重んじ勤労者を敬う態度とあらゆる職業の意義を敬う態度を身につけなければならない。このことは就職して職場に身を置かなければ取り組めないが、その一方で就職しさえすれば自動的に身につくことではないので、勤続支援(就労定着支援事業)の目的を「人生指南」としなければならない。就職して遂行している作業は誰のためにしているのか(誰が喜んでくれるか)をはっきり分かるように伝えよう。
 また「施設内訓練」を実習・面接・就職の前提条件とせず、企業の創業理念との「出会いの場」の創造を目指そう。支援スタッフには就職の決定権はない上、また企業が必要としているスキルと支援スタッフが教えているスキルとが一致するとは限らないので、施設での作業訓練そのものが役に立たない可能性があることに留意しよう。これがスキル上達ではなくマインドセットに支援の重点ポイントを置かざるを得ない理由でもある。支援スタッフは、施設で生活する姿を知っていても「勤務中の姿」について知っているわけではない。「見学」と「実習」は全く異なるし「実習」と「就職」もまた全く異なる。施設内作業の熟達の先に「就職」が待っているわけではない。就職に近づくためにすべきことはあくまでも「出会いの創造」である。
 では「施設内訓練」の目的は何か。様々な能力ある方々の力を伸ばすことではない。求職者の卓越した(潜在)力を見出す力(信じる力)を支援スタッフが伸ばすことなのである。
 また現に障害者を雇用している企業への対応が、どの企業に対しても有効であるとは限らない、ととらえよう。
※法定雇用率達成民間企業数45,553/91,024社 平成29年障害者雇用状況報告(※36)
 ※全国の事業所数4,098,284社(うち会社企業1,750,071社)(1事業所あたり常用雇用者数11.7人、1会社企業あたりの常用雇用者数21.6人)平成26年経済センサス・基礎調査(※37)

 そこで支援スタッフの格好や立ち居振る舞いと同様に、様々な能力のある方々にも面接・実習・就職に最適な「姿・格好や立ち居振る舞い」があるから、その実現に全力を尽くそう。そのために「社会人マナー」習得の支援が必要である。これには知識の伝達だけではなく実際に振る舞えるようになるまでのトレーニングが不可欠である。

 街で中学生や高校生を見たとき、数年後に就職して働いている姿を想像できるか。あなた自身は、現在、福祉現場で働いている姿・状態を、高校生・学生のときに想像できていたか。おそらくイメージは一致していなかったのではないか。同様に、様々な能力のある方々がどのように就職しどのように職場で貢献するかは、施設で暮らしている姿からは類推できないのである。また施設で作業に取り組む姿を見て、就職できるかできないか、どの職場に適性があるかを判断することもまた不可能である。まだ就職実績を上げたことのないスタッフは、就職支援の仕方が分からないのであるから、成果を上げた先輩スタッフから学ぼう(自分の人生経験に基づくだけの支援ではごまかせない)。

 様々な能力のある方々に対する長所発見能力(と企業の長所発見能力)を習得しよう。様々な能力のある方々に対するアセスメントとは、現状をもとに将来の可能性を見限ることではなく、変化の可能性に気づくことである。顧客としての企業に対してもまた同様である。プロのプロたるゆえんは、教え気づかせ導くことにあるのではなく、気づき学ぶところにことあるのである。
 「変化の可能性」に気づくために「気づくまでチャレンジを続けてあきらめない」か「成功例を知る先輩スタッフに大きく変化した人を教えてもらう」かのどちらかの行動をしよう。
 就職した様々な能力のある方々が、仲間を就職させるために手を貸したいというような思いになっていることが、「幸せな就職」の定義である。
 障害者以外の求職者支援も上記を適用する。

(2019.3改訂)

(※35前掲『手紙屋~僕の就職活動を変えた十通の手紙~』五通目の手紙「ある人の人生」pp111-122、八通目の手紙「あなたの成功は世界を変える」pp184-195より)

(※36 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000187661.html)

(※37 http://www.stat.go.jp/data/e-census/2014/pdf/kaku_gaiyo.pdf)

就労支援事業(福祉的就労における作業支援)の着眼点

(目的の明確化)
1 工賃向上は、他人に喜んでもらえたことによる結果である。結果を直接求めるのではなく、目的や役割に着眼し、作業支援の目的をまず確定しよう。現状をもたらした原因を探るのではなく、目的に向けた有効なその手段を探し、同時にその指標と測定方法を確定しよう(3-6-4項 ファンクショナル・アプローチ)。

(目的達成に向けたスタンス)
2 様々な能力のある人々が、社会人として貢献する(自分の時間を人の幸せに変える)ための行動プランを自身の手によって企画し設定し、その達成を目指す態度とプロセスを見守りその実現のためのメンターになることを使命としよう。
 様々な能力のある人々が自認している役割、そしてそれを表現する働きは必ず人に喜ばれる。人の役に立つ姿を親や家族は期待するはずである。

(低報酬の原因のとらえ方)
3 今工賃が低いとすれば、様々な能力のある人々の思いと働きが人に伝わらず、喜ばれていないからである。この認識からスタートしよう。支援スタッフの役割は、働き手の意識(人の幸せに役立ちたい想い)と行動をお客様に正対させることにある。そして、主体的に設定した目標の達成に向けた態度とプロセスを適正に(個別的に)評価することにある。この評価指標は、金銭のみではない報酬全体を視野に入れなくてはならない。
 様々な能力のある人々にできる作業を探すという発想は根本的に間違いである。例え障害があっても、自分には向いていないと思い込んでいても目的達成のためにやらなければならないことをするのが「仕事」である(※6)

(支援スタッフの2つの役割)
4 障害(impairment)をsupportするのは大切なことだし、それが職場における合理的配慮である。
 しかし仕事は、他人を喜ばせることであり、人のことを置いておいて自分が満足することではないから、支援スタッフのすることは
①impairmentに配慮した環境整備
 この環境とは作業のしやすさではなく、お客様への喜ばせやすさのこと
②人の喜ぶポイントを伝えること
 「あなたを知らない他人は、あなたが何をすれば、あなたに感謝するだろうか」この点のtry & errorをする場が、就労継続支援事業所であるべきであり、様々な能力のある人々が心の底から幸せにしたい人とめぐり合う可能性を強く秘めた場、これが施設・事業所であるべきである。

(支援の発展段階)
5 しかし注意すべきは、販売促進のための取引先や消費者との関係を支援スタッフが深めていき、その結果、商売が繁盛し高い工賃が払えるようになった(下の第3段階)からといってもそこで止まってはならない。様々な能力のある人々が直接他人の幸せを願って仕事をしている段階を目指すべきである。

(誤った権利擁護意識)
6 どのようにしたら、様々な能力のある人々は他人のために精を出すようになるか。それには自分が他人・先人から(既に)受けた恩を知らなければならない。この感謝の心を阻害するのは「自分は人として当然受けてしかるべき待遇を受けていない、自分が受けるためには周囲が配慮をするべき」という被害者意識である。支援スタッフもまた この被害者意識に寄り添い、権利回復を図ることがその役割だと思い込む傾向に陥りやすい。
 従来の支援者は、障害者に他の人と同じ権利があると主張してきたが、そのとき貢献を明確に求めてはいなかった。しかしこれでは、たとえ権利が保障されても、人を幸せにしている充実感が得られない(他者を幸せにする権利に着目するならばこの権利は保障されていない)。
 また「多様性の尊重」の名の下に「多様性を認めないのは許さない」という全体主義が現れる危険性がある。多様性の追求は公性の尊重が前提である。私権の追求に留まってはならないのである。

(保障すべきは「貢献権」である)
7 支援スタッフの具体的職務に通底させるべきことは、様々な能力のある人々を含む現代の日本人が受けてきた恩に感謝し、広く伝えていくことである。そしてそれへの報恩の想いから夢中になって働き、その成果が卓越したとき、世の中になくてはならない存在となり、結果として報酬が得られる。
 誰に対しても保障されている権利とは、人の幸せに貢献する権利である。人のあらゆる幸せに自分のスタイルで貢献する自由は誰にも侵されない。障害者の権利を護るという名の下に、障害者の人を幸せにする行為を制限してしまうことが、分かりにくいだけに一番たちの悪い権利侵害である。

8 だれもが一人の人として受けてきた恩を知り、それに感謝し、それに報いたいと願い、真摯に働くことは尊いことである。森信三先生の再建の三原則「時を守る 場を清める 礼を正す」もまた真摯な行動に輝きをもたらす。
 報いる行動ができることにさえ感謝し、幸せを感じられるならば、その結果、手にする報酬を使ってもっと他の人に喜んでもらいたいと行動を続けられる。
 支援スタッフもまた傍で同じことをしているのは「同志」だからである。

9 様々な能力のある方々が支援者の言動に後押しされ、今に感謝して誰かを喜ばせたいと願って実践した行動は、必ず誰かに喜ばれる。その喜んだ誰かは、その卓越した思いと行動に応え「頑張ってね」ではなく「ありがとう」「お世話さま」と言うのである。
 それにより様々な能力のある方々は自分の行動実践の成果、効果を知り行動を続ける(勤続する)のである。喜んだ人との関係、つまり一般的にはお客様との関係が深まる方向で熟し続けるからお互いがなくてはならない関係になるのである。

(2019.3改訂)

2-5-2 社会の一器官としての社会貢献

 社会貢献とは「尽くし与える活動」である。他に尽くし与え続けることは人としての使命であり「人たるゆえん」である。(2-4-5項)
 人は支援されること(周囲から何かを与えられること)だけでは自己充足感は得られず、むしろ他の幸せのために尽くす行動を通じてこそ幸福感を得ることができる。人は誰でも就職することで単に経済的に豊かになるのではなく、就職を通じて利他の行動に主体的に取り組む生き方を得て幸せな人生を生きるのである。(1-3項)
 利他の行動を積極的に求めていく姿勢は光明会のコア・コンピテンシーである。
 就職支援では、作業スキルの獲得を企業就職の必要条件とはせずむしろ「働きたいという強い気持ちを表す態度」と「よい人間性に基づく行動の習慣」を重視しよう。
 求職者が「人生に仕事がある喜び」を求め「仕事のある充実した人生」を創造するには、勤労観(勤労を重んずる態度)・職業観(あらゆる職業の意義を敬う態度)や「技術者の三魂」を身につけなければならない。(1-4項、2-5項)
 作業を通じて意欲と態度を身につけること、そのための環境作り、工程分析・動作分析を実践するにあたり最新の学術的知見を活用していかなければならない。(2-4-3項)
 しかし作業の仕方は誰もが教えられるとしても、人間性は高い人間性をもってしか教えることはできない。行動の習慣となればなおさらである。ここに法人職員が身につけるべき資質の中に人間性を高める修行が含まれなければならない理由がある。働きたい気持ちはよい人間性の習得にどれだけ懸命に挑戦しているかで評価しなければならない。社会貢献は「よい人間性獲得のための修行」でもある。

 平成24年度障害者自立支援基盤整備事業で整備した研修棟は、就労支援事業における人間性を高める支援に活用していく。礼法室としての和室は、立ち居振る舞いの作法やお客人をもてなす茶道など日本の伝統文化や禅の修練の場としてお客様のみならず職員にとっての人間性向上の道場である。特に中平裕子指導員の力を借りて自主性・自己決定能力を引き出すために禅の修行を強化・システム化する。 

 就労継続支援事業B型での施設内作業(施設外就労を含む)や社会貢献活動の目的は、人への感謝の気持ちで恩返し(自分の時間とエネルギーを与えること)である。報酬を手にすることはその結果である(平成29年度全国平均の月額15,603円(※38)(平成29年度千葉県平均は14,308円(※39))超の工賃支払いは光明会の義務であることには変わりはない)。B型利用のお客様はファーム事業、ファクトリー事業と請負作業事業に所属する。そこで、主体的に設定した目標の達成を目指す。さらに生産した商品やその収益の一部を地域の在宅高齢者、福祉施設、特別支援学校、被災地や避難所の要援護者などへの提供や対面販売で、自らが生産に関わった商品が消費者(特に日常の買い物に不便を感じている方々への提供を追求する)の幸せにつながっていることを実感し感謝できるよう導く。消費者の方々へのお礼状など感謝の気持ちを表す品々の制作にも従事するよう導く。感謝されることを求めるのではなく、自分に与えられたこと(たとえば生産活動に従事できることやその商品を販売できること等)に感謝をして、だからこそ生産商品を届けることは恩返しである、と思うことが大切である。このことが社会貢献(働くしあわせ)である。その他施設周辺の環境美化活動やファーム事業で育てた花を植えるなど地域コミュニティを醸成する活動にも積極的に参加するよう導く。

(※38 http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/service/shurou.html)

(※39 https://www.pref.chiba.lg.jp/shoji/service/shuurou/kouchin/index.html)

2-5-3 国土を守る農業従事者の育成

 就労支援事業の一つであるファーム事業は、良好な国土保全に直接貢献できる立地優位性が引き立つ就職するなら明朗塾のコア・コンピテンシーである。農業は(人の)生命を育むために(植物の)生命を育む営為である。人財育成の一環として農業に関わることは不可欠である。
 小澤定明理事長のライフワークとそれに心酔する塚本誉丈指導員を中心に立地優位性を十分活かし地域活性化の先駆けとなる。豊富な農地で微生物発酵エネルギー・堆肥(製造プラントは特許取得)を活かした無農薬・無化学肥料の農産物生産を拡大する。この農産物を加工した食材の飲食店卸し業務を継続するとともに、光明会の各事業所を拠点に生産農産物等の直売所を設置する。周辺の遊休農地活用を追求し、農地保全に貢献するとともに生産規模拡大を図る。
 併せて農業のプロ育成プログラムの開発により様々な能力のある方々の農業従事の道を確実に作り上げる。そのために市場動向を見据えた生産計画に基づく作業計画の立案、様々な能力のある人々による農作業の安全確保と効率化の推進、土壌の保全と生育管理ができる専門技術を身につけた専従スタッフの育成の道を作り上げる。

2-5-4 お客様の声を聞く体制

 ドラッカーによれば、事業の価値はお客様が決める。お客様は事業の価値(福祉サービスの価値)をその品質で決めるのではなく、欲求の充足を期待して決めるのである(※40)
 これはレストランでの食事が満腹の満足感、あるいは同席者とともに過ごす至福の時間を得るためであって料理そのものの購入ではないことと同じである。求職者が就職支援サービスを受けるのは、就職支援サービスそのものを受けたいからではなく、就職して、人生に仕事がある喜びを得たいからである。仕事を通じて誰かを幸せにする充実した人生を得たいからである。
 だとすれば、就職支援サービスの品質を上げるだけでは不十分である。これは「だから生活支援が大切」ということではない。目指すべきは「人生指南」であるということである。
 価値創造マネジメントにより、様々な能力のある方々がどのような「価値」を求めているか。大切にしたいことは何か。どのような欲求を充足したいのか。この答えをお客様(様々な能力のある方々(求職者)とその家族、また障害者雇用をする企業関係者、障害福祉施策を提供する行政関係者)に直接聞く体制を作る。さらに現在光明会の福祉サービスを利用していない方(非顧客)にも直接聞く体制を作る。(2-2-3項)
 就職支援の成果・実績を示すことは、安心感の提供の一つではあるがこれだけでは不十分である。仕事がある充実した人生を送るにあたりどのような仕事道サービス(支援サービス)が必要かをお客様に聞く姿勢が私たちにあることをお客様が感じることが安心感の中身の二つ目となる。
 お客様の声を聞く体制により、お客様に次のメッセージを届けることができる。
 「人生に仕事がある喜びに目覚めているか」
 「社会・未来に貢献する喜びを自らの価値としているか」
 またこれらのメッセージを発信することに続けて、どのようにその喜び・価値を実感させるか、そのために提供すべき体験(仕事道サービスのエッセンス)は何かを問い続けなければならない。さらに、お客様の感じる安心感の要素には、個人を対象にするだけの支援計画ではなく、仲間とともにいる個人を対象にした支援計画の作成の必要性を前提にお客様の声を聞く必要がある。(2-5-1項)

(※40『新訳 創造する経営者(原題: Managing for Results)』ダイヤモンド社 1995 p130)

2-5-5 構造化の専門性

 TEACCHプログラムは、自閉スペクトラム症(※41)の特性から相手を理解して望ましい行動がとれるようにはたらきかけることである。自閉スペクトラム症は「三つの領域に発達の偏りがあることが特徴である。①社会性、②コミュニケーション、③こだわりである」「この三つの療育の特性以外にも感覚障害といって、音や光の刺激などに過敏であったり、鈍感であったりすることがある」。(※42)
 自閉スペクトラム症の特性をかちとる考慮した解決策の一つが「構造化」である。構造化は、時間と空間の順位付けであり「何をするのか」「どれくらいの量をするのか」「いつまでにするのか/あとどれくらい残っているのか」「終わったら次は何をするのか」を視覚的具体的に分かりやすく示す手法である。 
 TEACCHプログラムは、アメリカ・ノースカロライナ大学での研究に端を発した自閉症教育プログラムであり、具体的な「構造化」の理論やその方法論が児童精神科医の佐々木正美氏(1935-2017)によって日本に紹介されて以来、教育現場における実践的な活動が増えた。
 TEACCHには以下の9つの基本方針・哲学がある。

  1. 理論ではなく子どもの観察から自閉症の特性を理解する
  2. 保護者と専門家の協力
  3. 治癒ではなく、子どもが自分らしく地域の中で生きていけることがゴールである
  4. 正確なアセスメント(評価)
  5. 構造化された指導法の利用
  6. 認知理論と行動理論を重視する
  7. スキルを伸ばすと同時に弱点を受け入れる
  8. 全体的(ホーリスティック)な見方を重視する
  9. 生涯にわたるコミュニティに基盤を置いたサービス(※42)

 TEACCHプログラムは、幼児期から成人になり、社会で生活していくという一生を通じて提供されるプログラムであり「治すとか直すというように、治療的に対応、教育、支援をするものではなく、自閉症の子どもや人が自閉症のままで、私たちの共生や共働することを目ざす」(※43)ものであるから、構造化の実践力は個別支援においては不可欠のものになる。
 光明会では、ノースカロライナTEACCHプログラム成人期ASD支援視察研修を平成30年9月30日から10月6日まで主催実施した。この研修会参加者は法人職員7名に加え、全国の社会福祉法人からの参加者を得て同行講師、通訳併せて17名であった。視察研修に先立ち、同行講師を講師として都内で二度(平成30年7月17日、平成30年8月23日)の事前研修を実施した。その内容は、成人期自閉症スペクトラム支援に関するTEACCHの役割、TEACCHを活用する支援の全体像と支援目標の立て方、視察研修で学習すべきポイント、視察研修を有効にするための事前学習の方法であった。
 TEACCHが世界で初めて生まれたノースカロライナの海外研修の中、受講者の心に実践力の習得に向ける熱意の種が蒔かれたことと確信する。

(※41『DMS-5 精神疾患の分類と診断の手引き』医学書院 2014 p26 従来、広汎性発達障害、自閉性障害と表記されていたが、DMS-5では、自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害と表記が整理された)

(※42 内山登紀夫 前掲書 pp12-14 pp15-24)

(※43 佐々木正美『自閉症児のためのTEACCHハンドブック改訂新版』学研2008 p19)

2-6 事業の継続性とコンプライアンス

 2-4項で示した事業の成果が、価値提供マネジメントにより、適正なマネジメントとすべての法人職員が独自の強みを発揮する組織活動により計画どおりに進捗していることが事業の継続には不可欠である。すべての法人職員の活動が「就職支援と仕事道サービス」「人生指南」「新しい価値の創造(イノベーション)」「人間性を高める挑戦」に集中していることが光明会の存在意義(経営理念)に適う状態である。
 事業の成果を求めて各事業活動を推進するにあたり法令遵守をしなければならない。ここでいう法令とはISO9001:2015規格に規定されている「利害関係者のニーズ及び期待(要求事項)」に準ずるものとし、その際、利害関係者には障害者が含まれていることを考慮するとともに尊重する。そのためにつぎの4項目を法令と見なす。

  1. 利害関係者からの要求事項
  2. 利害関係者が明示しなくても潜在的に期待し要求する事項。障害特性に鑑み、面接や相談を通じて把握する。
  3. 障害者権利条約、障害者基本法、社会福祉法、障害者総合支援法、障害者虐待防止法、障害者差別解消法、民法、労働基準法、障害者雇用促進法、生活困窮者自立支援法、食品衛生法、食品表示法、労働安全衛生法、個人情報保護法等、法令・規制が要求する事項
  4. 光明会が必要と判断する追加要求事項

 第二創成プロジェクト(1-7-6項)は、組織のあり方を問うものである。事業の継続とコンプライアンス体制を強固に構築するために、ISO9001の再認証を目指す。

2-7 目標値(31年度に達成すべき数値目標)

 2-4項で示した事業の成果の姿を踏まえて、価値提供マネジメントによる31年度の行動計画立案の指針とすべき達成目標値を以下に示す。すべての目標値設定はCOOが行い、適時に見直すものとする。
 目標は、組織の活動がその使命と目的に適っているかを確認するためのものである。ドラッカーは、企業が社会への貢献の機関として存在し続ける責任を果たすために利益が必要不可欠なものであることから、利益を上げることは組織存続の条件という。利益は事業の妥当性の尺度なのである(※44)
 本項の目標値は、光明会が社会に貢献し続けるための条件である。事業の成果を上げ社会への使命を果たすためにこの条件がある。したがっていたずらに目標を追うことはせず、事業の成果が自然に生み出される状態(システム)を作ることを目指すのであり、その歩みが正しい方向であるかどうかを点検するためにこの目標値を活用するものとする。
 また、福祉サービスの成果の評価は、すべて客観的に行うことはできない。これが本質である。行政サービス評価や障害福祉計画の数値目標達成は、条件であり目的ではない。一方で、新自由主義的(小さな政府、能力主義、自己責任、市場原理)な競争の導入、成果至上主義になじむ側面があることは否定できないし、この側面は報酬(現金や所得)と結びつくだけに、受け取るものが多いほど幸せ(効率的なほど賢い)という価値観に引きずられやすい危険性がある。
 しかし計測できる価値の限界を知り、計測できない価値に支えられてこそ、成果が光り輝くものである。与えるものが多いほど幸せ(手間をかけるほどよい)という価値観にわれわれは立脚すべきである(※45)

(※44『現代の経営 上(原題: The Practice of Management)』ダイヤモンド社 2006 p44)

(※45「教育の効果のすべてを数値化できるわけでもないし、実際に数値化できる認知能力などは、学校教育の幅広い効果のうち一部に過ぎない。アカウンタビリティ(ここでは「費用対効果の説明責任」引用者注)を全面否定するわけではないが、それが支配的になって費用対効果や測定可能なものだけを「教育効果」と定義した上で教育を評価すれば、学校はグローバル経済における即戦力を効率良く生産する工場、教育者たちは指示通りに働く労働者、教育はプログラム通りの結果を生み出す機械的な工程、若者たちは品質等級に分類された製品と化してしまう」鈴木大裕『崩壊するアメリカの公教育』岩波書店 2016 p98より一部整理して引用
「そもそも誰が、どんな基準で、いかなるタイムスパンで、何を教育の「成果」と呼び、何を「無駄」と切り捨てているのか。このように、教育などの社会の根幹をなすものの評価の在り方を問うことは、社会の在り方そのものを問うことでもあり、民主主義を支える私たち市民の責任だ」前掲書 p102
 「教育」という文字を「福祉」に置き換えて考えられたい。(引用者))

2-7-1 障害者の雇用支援・就職支援に関して就職支援(雇用支援)の目標は77名以上

 平成31年度は、平成20年4月から事業受託している障害者就業・生活支援センター事業による就職者数の目標を40名以上、就職するなら明朗塾:2名以上、就職するなら明朗アカデミー・成田キャンパス:15名以上、就職するなら明朗アカデミー・佐倉キャンパス:10名以上、就職するなら明朗アカデミー・八街キャンパス:10名以上、就職するなら明朗アカデミー・白井キャンパス:10名以上とする。2-4-1項で示した就職の定義(就職者として計上するルール)に従い、計上するものとする。また、各キャンパスでは就職者数の9割以上の就労定着支援事業利用契約を追求する。就労定着支援事業に接続する就労移行支援事業からの就職者の就職3年後定着率の目標は、60%超とする。

 生活困窮者自立支援事業における雇用支援・就職支援は、価値提供マネジメントにより、上記の目標値とは別枠で設定する。

 障害福祉サービスの提供に関する情報(就職支援実績と仕事道サービスや社会貢献に向かう姿勢)の告知(宣伝・広告)を進めて利用契約者確保を進め、既存のすべての事業所(グループホームを含む)の月平均利用率は100%を達成することを原則的な目標値とするが、就職するなら明朗アカデミー・佐倉キャンパスは、平成31年度は85%とし、32年度以降100%とする。また就職するなら明朗アカデミー・白井キャンパスは、平成31年度は70%、32年度以降100%とする。
 なお、平成31年度は消費税率変更に伴う事業給付費の報酬改定が10月に行われるが、各事業の月間事業収入額の目標値(顧客自己負担金を含む)を参考値として次のとおり示す。

事業所名 事業名 目標月間事業収入額
就職するなら明朗塾 生活介護 2,500,000
移行支援・定着支援 500,000
継続B 8,500,000
施設入所(除短期入所) 6,000,000
明朗アカデミー・成田キャンパス 移行支援・定着支援 7,500,000
明朗アカデミー・八街キャンパス 移行支援・定着支援 4,200,000
明朗アカデミー・佐倉キャンパス 移行支援・定着支援 3,800,000
明朗アカデミー・白井キャンパス 移行支援・定着支援 2,000,000
八街市障がい者就労支援事業所 継続B 3,700,000
インディペンデンス 共同生活援助 5,000,000

 ただし、利用率の目標達成のためとはいえ、2-5項「お客様の求める価値と事業のコア・コンピテンシー」に示した内容から外れたり利害関係者のニーズ及び期待(要求事項)の明確化やそのレビューを怠ったりしてはならない。暫定支給決定期間を活用するなどして本人とその家族の人生指南に対する姿勢や期待を確認する。

 「人生に仕事がある喜び」を提供し「仕事のある充実した人生」を創造する「人生指南」の成果は、就職継続率(離職率)と平均就職月数を指標として目標を設定する。また生活困窮者自立支援事業の目標値は価値提供マネジメントにより、設定する。(2-4-1項参照)

 下表は、光明会の就労移行支援事業(就労継続支援事業を含む)を経て就職した者への支援成果分析結果である。

 離職率は各年度に就職した者の平成31年3月末における離職率。累積欄はH28~30年度のもの。
 平均勤続月数は各年度に就職した者の平成31年3月末の数値。累積欄はH28~30年度のもの。

[表1 光明会の就労系事業の支援成果分析]

  就職件数 離職率 継続率 平均勤続月数
平成28年度 45 55.6% 44.4% 19.6月
平成29年度 62 38.7% 61.3% 12.4月
平成30年度 41 19.5% 80.5% 5.0月
累 積 148 38.5% 61.5% 12.6月

[表2 参考値:光明会全体(就業・生活支援センターを含む)の支援成果分析]

  就職件数 離職率 継続率 平均勤続月数
平成28年度 129 46.5% 53.5% 20.1月
平成29年度 119 38.7% 61.3% 12.4月
平成30年度 87 17.2% 82.8% 5.0月
累 積 335 36.1% 63.9% 13.5月

 就労移行支援事業所支援のためのネットワーク作りは、千葉県知的障害者福祉協会や千葉県社会就労センター協議会と連携して進める。

2-7-2 相談支援事業に関して

 価値提供マネジメントにより、相談支援事業の成果は障害福祉に関する「サービス等利用計画の提供」「モニタリング」の件数を指標として目標を設定する。

2-7-3 就労支援事業(福祉的就労における作業支援)に関して

 消費者・発注企業の満足を求めるB型の利用顧客が主体的に設定した目標(これは工賃額ではない)の達成割合は平成30年度から導入した指標であるから、価値提供マネジメントにより、その実効の検証も含めながら目標を設定する。当面平成31年度は75%とする。また報酬規程は、この目標設定及びその達成を目指す態度とプロセスを評価するものとなるが、その効果検証も平行して行う。

 平成31年度の配食・ケータリング事業(30食以上のイベント用の受注)の月商は33万円超(年間400万円)とする。
 クラフトビールを活用したレストラン、物販営業について検証を実施する。この事業の目標粗利額は年2,000万円とする。

 ファーム事業は、微生物発酵の液肥プラント(21年度整備・特許取得)を活用した「4片のジャンボサイズにんにく」をはじめとする露地野菜の栽培(ギフト用販売を含む)と販売、ビニールハウス内の果物や花卉の栽培、年末の「正月幸福飾り」製造販売等で年商600万円超を目標とする。微生物発酵エネルギー・堆肥製造事業を継続推進する。
 平成28年度に屋内作業棟(落花生殻剥き作業棟)、雨天洗浄作業場、にんにく乾燥保管庫改装の各整備、平成29年度は保冷庫付き作業棟整備を行ったが、平成31年度は関連整備を行う。

 ファクトリー事業では、必要な設備投資を進め自家栽培した露地野菜の加工食品の開発と販売、地元スーパーマーケットへの卸販売(平成28年3月開始)、また地元農家等から委託される「落花生の殻むき作業」「農産物加工」、テミル・プロジェクトにより開発した製菓新商品およびギフト用包材を導入し年商600万円超を目標とする。

 請負事業については工賃(平均月額17,000円超、支払工賃総額としては、就職するなら明朗塾が1,170万円、明朗ワークスが660万円)の支払が可能になることを前提とし、事業所単位で請負金額の目標額を設定する。

 「価格」はお客様との関係度そのものである。サービス・商品は、我々の哲学を載せる器であることを旨にその改善・開発にあたっては、伝えるべき哲学を明確にして設定する。

 平成24年度から3カ年の「工賃向上計画」に続き、平成27年度からは「工賃向上計画支援事業」が実施されてきた。光明会では、報酬の一部である「工賃」の支払計画に関しては下表に示す。

「就職するなら明朗塾」

平成26年度の平均工賃支払実績額 月額15,867円(月平均勤務時間81時間・平均時給額197円)
平成27年度の平均工賃支払実績額 月額17,628円(月平均勤務時間93時間・平均時給額190円)
平成28年度の平均工賃支払実績額 月額18,189円(月平均勤務時間89時間・平均時給額204円)
平成29年度の平均工賃支払実績額 月額16,839円(月平均勤務時間91時間・平均時給額204円)
平成30年度の平均工賃支払実績額 月額18,718円(月平均勤務時間87時間・平均時給額216円)
平成31(令和元)年度目標工賃額 月額17,000円(月平均勤務時間80時間・平均時給額213円)

「明朗ワークス」

平成26年度の平均工賃支払実績額 月額13,426円(月平均勤務時間74時間・平均時給額182円)
平成27年度の平均工賃支払実績額 月額16,476円(月平均勤務時間77時間・平均時給額215円)
平成28年度の平均工賃支払実績額 月額18,004円(月平均勤務時間70時間・平均時給額259円)
平成29年度の平均工賃支払実績額 月額16,627円(月平均勤務時間76時間・平均時給額235円)
平成30年度の平均工賃支払実績額 月額18,644円(月平均勤務時間75時間・平均時給額248円)
平成31(令和元)年度目標工賃額 月額17,000円(月平均勤務時間80時間・平均時給額213円)

2-7-4 地域コミュニティづくり・子どもの夢づくりに関して

 価値創造マネジメントにより、法人で企画運営する各種イベントについては、地元八街市の街づくり(野球場建設や文化会館建設等)や子どもの夢づくり(子ども虐待防止)を主旨として、「地域コミュニティ創造イベント」「地域コミュニティ拠点創造事業」実施する。
 価値創造マネジメントにより、地域コミュニティづくりに関連する「めいろう夏まつり」「八街吹奏楽フェスタ」「花桜菜まつり」を企画する。その目標値は光明会職員を中心とする実施体制を含め志推進会議で設定する。
 1-5項に示したとおり、イベントは完成品を参加者が楽しむ(消費する)ものでなく、完成品が仕上がるまでのプロセスを楽しむ(消費する)ものというとらえ方に基づき、実行委員会の存在と活動そのものこそイベントの本質的主体と理解する。
 なお、小澤孝延八街市議会議員の活動テーマとしての「地域コミュニティの醸成」との連携を活かすものとする。

2-7-5 お客様の声を聞く活動に関して

 価値創造マネジメントにより様々な能力のある方々にとっての「価値」を直接本人に聞く「顧客満足度と価値調査」を企画実施する。さらに現在光明会の福祉サービスを利用していない非顧客にも直接聞く「顧客価値調査」を実施する。得られた新しい顧客価値は光明会の経営方針に反映させる。

2-7-6 生活介護事業の提供へ向けて

 生活介護事業の実施は平成31年度からの新規となるため、職員体制(指導員のほか看護職員の配置等)など、解決すべき課題を明らかにしたうえで進捗管理に努める。
 同時に、利用希望者およびそのご家族、実施機関担当者に対する説明等にも万全を期すものとする。
 構造化の成果による安定した生活と利用率、また個々の目標設定とその達成状況から目標値を設定する。