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  4. 理事長挨拶

何人が自分のために尽くしてくれるか

社会福祉法人光明会 理事長 小 澤 定 明

仕事から得られるものの真実

 自分が幸せ・豊かになることは、他を幸せ・豊かにするために不可欠なことです。「人生に仕事がある喜び」「仕事のある充実した人生」もまた、それを他と共有しなければ実現しません。仕事がある喜びを共有するとはどういうことかに気付ける場を提供できているか、さらには自ら作り出せる力を育てようとしているか、が問われるのです。そのために「これからの世の中でどんな役割を担うのか」を自ら問い続けましょう。
 「よい人間」になることは、他をよい人間に導くために不可欠であり、よい人間とは、尽くし与えること、それに挑戦する行動の習慣が身についている状態にある人間をいいます。人には自分自身の自立より優先して取り組むべきことがあり、それに気づき取り組む人生を「自立した人生」というのです。
 これに挑戦するエネルギー源は「他から受け取ったものへの感謝」「他が自分に対して尽くし与え続けた行動に対する敬意」です。従って先人や仲間の志や行動に学ぶことも追求しましょう。
 人は支援されること(周囲から何かを与えられること)だけでは自己充足感は得られず、むしろ他の幸せのために尽くす行動を通じてこそ幸福感を得ることができます。人は誰でも就職することで単に経済的に豊かになるのではなく、就職を通じて利他の行動に主体的に取り組む生き方を得るから幸せな人生を生きるのです。
 利他の行動を積極的に引き出すことを求めていく活動こそ就職支援の本質であり光明会の使命であります。(平成30年度光明会経営方針 1-3項より)

 人間にとって「就職」は人生のある時期における幸福実現の一つの手段に過ぎないものです。また人生の充実感、幸福感は「会社で働くこと」だけではないのです。
 しかし、人間は働くことで自らの使命を果たします。「自分の時間を誰かの喜びに変えることが、働くということ」(喜多川泰『ONE WORLD』サンマーク出版 2014 p64)です。働くことは、自分が成功の人生を送る方法ではなく、他人に成功の人生を与える方法である。働くことは単に自らの所得を得ることには留まらないことに気づくべきなのです(「会社が持っているものの中であなたがどうしても欲しいと思えるものは、お金や安定、多くの休日や福利厚生の充実以外に本当はたくさんあるはずです。同様に、あなたの持っているものの中で会社が欲しがるものは、時間と労働力以外にもたくさんあることに気がつくはずです。」喜多川『手紙屋~僕の就職活動を変えた十通の手紙~』pp36-40)。
(平成30年度光明会経営方針 2-2-1項より)

 自らの時間、すなわち命を他の幸せのために捧げることが仕事です。その自らの意志が功を奏したかどうかを人生の終盤において判断する基準は、何でしょうか。
 「『キミに報いたい、キミを喜ばせたいと思って仕事をしてくれる人が、何人いるか』が大切ってことだよ。その人数が多ければ多いほど、仕事は成功するはずなんだ」(本田健『大富豪からの手紙』第6の手紙より ダイヤモンド社 2018.3)という言葉が示すとおり、真に他のために尽くす行為は、その当人に尽くす人を引きつけるということなのです。