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障害者雇用への想い

株式会社ワールドエンタプライズ 課長 岩本 仁 氏

 株式会社ワールドエンタプライズは、昭和63年に創業し、空港関連の総合サービス業で現在も発展されている企業です。主な事業としては、空港事業部、ケータリング事業部(機内食の食器洗浄業務)、ビルメンテナンス事業部を専門として展開しています。現在、特定求職者※を40名雇用しています。障害のある方の就業部署は、主にケータリング事業部で、機内食の食器洗浄や盛り付け作業を行っています。
特定求職者の雇用推進を中心で邁進されている岩本仁課長に障害者雇用への想いを伺いました。

※特定求職者・・・障害のある方、外国籍の方、母子家庭の方、高齢者等厚生労働省が政策で定めた者

10年間勤務した社員の頑張りが

 株式会社ワールドエンタプライズでは、岩本課長を中心として障害者雇用を積極的に推進していますが、障害者雇用のきっかけをお聞かせください。

【岩本仁課長】

 障害者雇用のきっかけは、特別支援学校を卒業し、弊社に就職された方が非常によい働きぶりだったことです。卒業して10年間勤続したころには、現場(ケータリング事業部)の責任者候補になるくらい一生懸命に仕事をしていました。その社員の頑張りがきっかけですね。
 その社員の雇用をきっかけとして「十分に戦力となる」と考え、障害者就業・生活支援センター就職するなら明朗塾の支援を受けて、さらに雇用を広げようと考えました。
 今後も障害者雇用を推進していくために、障害者就業・生活支援センターが主催する「合同企業説明会」に積極的に参加していきます。この合同企業説明会で、たくさんの雇用が生まれましたからね。

指示の仕方が広がる

 現在では、順調に障害者雇用を実施されていますが、雇用が軌道に乗るまでの道のりをお聞かせください。

【岩本仁課長】

 障害者雇用を始めた当初ですが、知的障害者への指示の仕方がわからずに戸惑ったことがありました。指示を与えてもその通りに仕事ができない場合や仕事が途中で止まってしまうことがありました。そこで、特別支援学校の先生や障害者就業・生活支援センターの支援員の助言を受けて指示の仕方を変えてみました。具体的には「複数の指示を同時に与えない」「仕事のゴールを明確にする」ということです。このことにより、仕事が止まってしまうことがなくなりました。
 余談ですが、そのような指示を責任者が行っていると周囲の従業員も指示の仕方を理解してきます。

健常者を超える従業員

 貴社が障害者雇用を推進する理由をお聞かせください。

【岩本仁課長】

 まず、法定雇用率を達成するということを考えていません。彼らを戦力として考えています。
 私の経験則ですが、彼らは時に「健常者を超える」ことがあります。作業の正確性、反復作業を飽きずに行えるという点です。これが周囲の従業員にも伝わっていくのでしょうね。
 また余談になるのですが、私が推進する理由のひとつに雇用をしていて喜ばしいことも起因しています。従業員から「最近入った方が活躍していますよ!」と現場従業員から声をかけられた時は喜ばしいですね。それと直接、障害のある方から聞いたのですが「早く制服を着たい」と言われたことです。これは、従業員が揃って着ている制服なのですが、研修期間が終わって早く着たいということなのですね。

見た目、バックボーンではなく「人」を見る

 障害者雇用だけではなく、特定求職者の雇用も推進しているように幅広い人材を確保する理由をお聞かせください。

【岩本仁課長】

 弊社の代表取締役である諸岡勲の「派閥、国籍などのバックボーン(背景)を見ず、その『人』を見る」という言葉が私の心に響いているからです。
 外国籍の方、父子母子家庭の方、高齢者であっても働く意思があるのであれば、採用しています。
 障害のある方も知的障害者だけではなく、精神障害者も雇用しています。てんかんがあっても周囲の対応理解の促進や環境を整えることができれば十分に働くことはできるのです。
 タトゥーがある方も隠せば問題がない職場であるのですが、見た目ではなく「人」を見ます。
 私自身も「人」が好きなのでしょうね。

インタビューを終えて

 岩本仁課長とは、就労のご相談に乗っていただくことが多く、そのため会う機会が多いのですが、私の課長に対する印象は「よく笑う」ことです。話しているこちらもつられて笑ってしまうことがあり、打合せも楽しく感じるほどです。今回のインタビューを機に「なぜ、そんなに笑顔でいられるのですか」と聞いたところ「自然と笑みがこぼれる」と話されていました。
 岩本課長が「人が好きである」の意味が理解できました。
 採用を担当する方にとって人と接することは常でありますから、人が好きであること、自然と相手を笑顔にできることが、岩本仁課長の素晴らしいポイントであると感じました。

(文責 主任生活自立支援担当 平川智則)