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  3. 第71号
  4. 理事長挨拶

法定雇用率2.2%が意味するもの

社会福祉法人光明会 理事長 小 澤 定 明

平成30年4月からの法定雇用率は2.2%へ

 5年ごとに見直される「障害者雇用率」について、厚生労働省の労働政策審議会は、諮問を受けていた民間企業の障害者雇用率を2.3%(当分の間2.2%、3年を経過する日より前に2.3%、現行は2.0%)とすることなどを盛り込んだ「障害者雇用率について(案)」について、「おおむね妥当」とした同審議会障害者雇用分科会の報告を了承し、平成29年5月30日塩崎恭久厚生労働大臣に答申しました。
 これは、平成30年4月から、精神障害者の雇用が義務化され、障害者雇用率の算定式に精神障害者を追加することとなること等を踏まえたもので、厚生労働省では、今後この答申を踏まえた対応を行う予定です。(厚労省HPより)
 これにより、来年(2018(平成30)年)4月に現在の2.0%から2.2%に変更され、自治体は2.3%から2.5%、教育委員会は2.2%から2.4%に変更されます。
 さらに時期は未定ですが、2020(平成32)度末までに2.2%から2.3%に変更され、自治体は2.5%から2.6%、教育委員会は2.4%から2.5%に変更されます。
 光明会の各事業所では、様々な能力のある方々の就職支援と合わせて、企業の雇用支援を実施しています。法定雇用率の変更(引き上げ)は、障害のある方にとって、また就職支援をする者にとっては追い風に感じるでしょう。しかし民間企業にはどのように映っているでしょうか。
 民間企業の雇用義務を支援する者として、法定雇用率の引き上げ以上に支援の効果を高めることが必要になると認識すべきなのです。すなわち法定雇用率の引き上げは、私たち就労移行支援事業を担う者に対してもその成果を求めているわけです。来年4月までに、今までにない支援のあり方を開発しなければなりません。決して「対岸の火事」のような捉え方をしてはならないのです。

就労定着支援事業が始まる

 また平成30年4月から、障害者総合支援法の改正に伴い、就労定着に向けた支援を行う新たなサービスが創設されます。就労移行支援事業を通じて一般就労する障害者は年間1万人を超えるまでになりました。同時に就労に伴う生活面の課題に対応できるよう、事業所(職場)や家族との連絡調整等の支援を一定の期間にわたり行う新しい福祉サービスが求められるようになったのです。今まで就労に伴う生活面の支援(いわゆる定着支援)は、就労移行支援事業所と障害者就業・生活支援センターが担ってきましたが、「就労定着支援事業」によりこれとは別の実施主体が生まれることになります。まだ具体的な事業の中身は決定されてはいませんが、この事業も上に記した法定雇用率の引き上げとともに、私たち就労移行支援事業を担う者に成果を求めていると捉える必要があります。
 「制度が変わる」ということは、その制度を主体的に担う者に変化を求めているのです。人は、変わることを面倒なことと感じるものですが、目の前に現れた壁を越えることこそ、人の成長を保証するのですから、その壁を創意工夫で越えていくことを楽しみましょう。法定雇用率の引き上げの意味するところは、私たちに、支援のあり方を根本的に見直す時期が到来したこと、少なくとも5年に一度は真摯に向き合い、現状を否定することから始めることを求めていると理解すべきなのです。