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障害者雇用への想い

医療法人社団知己会 龍岡ケアセンター 事務局長 中山雅靖

 医療法人社団知己会は、平成4年から千葉県富里市で「お子様からお年寄りまで地域の皆様に信頼される医療を提供すること」を目標に医療・介護のサービス提供をしています。現在、障がいのある方を13名雇用しており、障害者雇用率は5.7%に達しています。(障害者雇用促進法で定める障害者雇用率は2.0%)障害者雇用の中心となり、合理的配慮や労務管理をしている中山雅靖事務局長(以下、中山事務局長)に障害者雇用への想いを伺いました。

障害者雇用のきっかけ

 中山事務局長は医療法人社団知己会・龍岡ケアセンターで、障害者雇用を積極的に推進していますが、障害者雇用のきっかけをお聞かせください。

【中山事務局長】

 障害者雇用のきっかけは、単刀直入に言えば雇用率を達成するためです。そのために支援機関が主催する障害者雇用に関するセミナーに参加し、これなら出来そうかもしれないという気持ちになり、まずはやってみようという気持ちから障害者雇用がスタートしました。

障害者雇用のポイント

 障害者雇用をするにあたり、準備したことや、雇用してからの配慮や実践、勤続のためにはどのような取り組みや連携があるでしょうか。

【中山事務局長】

 障害のある方に働いてもらうにあたっては、現場から「どう接したらいいのかわからない」「何を任せていいのかわからない」など反対の声もありました。そこで雇用を始める前に従業員を対象に障害理解のための研修を行い、障害に対する意識の統一を図りました。そして、実際に働いてからは様々な改善と配慮をしました。例えば、公共交通機関の時間に合わせた就業時間の変更や通院への配慮、マニュアルや掃除する範囲を写真などを使い可視化、見える化を意識しました。一人ひとり集中できる時間が違うので、休憩時間も統一ではなく、その方にあったタイムスケジュールを考えました。これらはあくまで障害者だからという特別扱いではなく、その方に長く勤めてもらうための配慮をしました。
 障害者雇用にあたっての最低条件としては、本人の支援に支援機関がつくことです。我々は支援機関を潤滑油のように考えています。支援機関がつくことで、生活状況や本人に直接言いづらいことや聞いていいのか迷うことなどを支援機関を経由して聞いてもらったり、本人たちが直接聞きづらいことなどを聞いてもらってフィードバックしてもらうことで対応策を考えることができます。
 障害のある方と一緒に働く従業員には、褒めることを意識してもらっています。褒めることで、障害のある方自身も自信を持つことができ、積極的に自分のやった仕事を報告してきてくれるようになった方もいます。
 従業員へのケアとしては、現場に任せきりにせず、障害者雇用は法人全体の取り組みであることを伝え、現場で何かあった場合は人事部が相談を受け、受けた内容によって支援機関に連絡をとり、連携して解決を図っていく体制をとっています。
 障害者雇用は雇用する側からしても、不安なことがたくさんありハードルが高いと思ってしまいますが、スタートしてしまえば、ハードルは高くないと感じています。支援機関との密な相談と連携を取ることが障害者雇用一番のポイントです。

障害者雇用の効果

 障害者雇用をしたことで中山事務局長自身、従業員の方々の障害者に対する意識にはどのような変化がありますか。

【中山事務局長】

 従業員は例えば、新入社員に対する対応など、人への接し方が優しくなったと感じるところが多々あります。接し方や教え方次第で成長していくことを体感しています。
 働いている障害のある方たちも褒められることで、自分に自信を持ち、職場内でのコミュニケーションが円滑になっていると思います。業務の改善ポイントなどの建設的な意見を自発的に提案してくれる方もいます。
 私自身は、障害のある方が仕事を達成していく姿が自分のことのように嬉しく感じます。今の障害者雇用があるのは、初めに雇用した3名の働く姿勢が、本当に素晴らしかったからです。当たり前といえば当たり前のことですが、大事なことは障害のある方を特別扱いせず、人として見ること、従業員が長く働き、力を発揮してもらうための配慮が必要ということです。

障害者雇用への想い

 最後に中山事務局長の障害者雇用に対する想い、今後の展望をお聞かせください。

【中山事務局長】

 障害のある方に限ったことではありませんが全従業員に「仕事をする喜びを感じて欲しい。」と思っています。
 これから障害者雇用を検討している方にお伝えしたいことは、私たちの障害者雇用の成功の要因は支援機関との相談、連携を密にして、お互いの信頼関係を深めていったことなので、このポイントをおさえた方が良いと思います。
 これはお願いですが、光明会で実施している就職祝賀会は、今後も継続していってください。 表彰されている姿を見ると、私も嬉しくなりますし、一緒に現場で働いている従業員にとっても励みになります。今後も障害者雇用や生活困窮者の方々などの雇用を視野に入れた、人材確保に努めていきます。

 中山事務局長とのインタビューを終えて、率直に感じたことは中山雅靖さんという方は、とても人間味のある暖かい方であり、人間力に溢れていると感じました。今後も中山事務局長との関わりを通じて、障害のある方の就職支援をしている我々がたくさんのことを学びたいと強く感じました。

(文責 相談支援専門員 幸島 繁)