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  3. 第69号
  4. オピニオン倉田知典氏寄稿

触れ合い方は自分の心がけ次第で変わる
……良い触れ合い方を続けたい

倉田知典 http://www.skz.or.jp/taiwa

 数万人の会員さんがいる団体の前代表の方(Kさん)の話し。
 Kさんには、お付きの人がいる。日頃、Kさんは毎日分単位でのスケジュールで動かれていらした中、付き人が、たまには体を癒してほしいとの思いから、Kさんにマッサージでも……と、とあるマッサージ店を紹介した。紹介した付き人は、とても責任感がある方で、まず付き人自身がマッサージ店に入り、マッサージを受けたそうだ。
 マッサージの店員さんは、無表情で言葉数も少なかった……。付き人は、何てサービス精神のない店員さんだと思ったと同時に、Kさんに、そこのマッサージ店を紹介することを大変申し訳ないと感じたのである。そんな中、Kさんがそこのマッサージ店にすぐに行かれたのだ。不安でいっぱいな付き人の心情の中、Kさんはマッサージを受け、付き人のところへ戻って来た。Kさんは付き人に対して、すぐ感想を話したのである。「とても良いマッサージ店を紹介してくださり、ありがとう。おかげさまで体と心も楽になり、店員さんとの会話がとてもはずんだよ」と、良い笑顔のKさん。
 付き人は、「え? お話しがはずんだ……」と、大変驚き、びっくりしたそうだ。付き人がマッサージを受けた時の店員さんの無表情の印象とは、まるで違う。付き人がKさんに「どういうことですか?」と尋ねると、Kさんは、こう話したという。Kさん自身が店員に対して「肩や腰のマッサージがうまいですね。特に腰のマッサージがうまいですね」と話したそうだ。そのことで店員さんは喜んで、もっと腰をマッサージしてくれたという。そして世間話しにもなり、良い触れ合いが出来たそうだ。
 その話しを聞かせて頂いた私は、ハッと気付かせて頂いたのだ。主に両手が不自由で、外出中は車椅子に乗ることが多い私。たとえばショッピングセンターで買い物をする時、お世話になったら「ありがとうございました」で、話しをすませていた私が今までだった。しかし「今1番売れている商品は何ですか?」、「私に似合う洋服を3点(案)、店員さん選んで頂けませんか」、「店員さんの今着ている洋服のセンス良いですね」など、感謝の心で私から、そのような会話を増やしてみることにした。すると、いくら話しが苦手そうな店員さんでも、とても良い顔をしてくださり、会話がはずむことを実感した。
 店員さんに限らず、街中で歩いている一般の方に、エレベータを押してもらった時「ありがとうございます」ではなく「お心遣い、ありがとうございます」などと、感謝の心で話すようにしてみた私。すると、相手の方はもっと笑顔と喜びを見せてくださる。先日も、若いママさんが、エレベータのボタンを押してくださり「ありがとうございます。カワイイお子さんですね」と、私が話しをさせて頂いた。そして数秒たち別れる時に、若いママさんは「ありがとうございます。お気をつけてくださいね」と、笑顔で思いっきり手を振ってくださり、気分良くお互いに去ることができた。
 そして身近な友人や仲間、またヘルパーさんにも「ありがとうございます」ではなく、相手の良いところを多く足して、私が感謝の心をお伝えさせて頂くよう努めている。そのようなことの実践をしていく中で、以前より、触れ合い方がより良くなれたと感じる今日この頃だ。
 自分自身の触れあい方次第で、相手との触れあい方が、大きく左右する(自身の人生も含めて)。相手の良いところ、大切なことを、自分から誉めたり認めたりさせて頂く中で、相手との良い関係がより保たれる。
 日々、出会う目の前の方に対して、【誉める、認める】の実践をつとめさせて頂きたいと思う。学びと感謝の毎日の私。

倉田 知典(くらたとものり)

 1970年3月29日生。1999年より自ら足の指を使いホームページ(「見かけは不自由『心は自由』」)を作成し、日々の生活の中で思いついたことを書き始めた。数ヶ月近く更新を続けるうち、ホームページを見た人々から多くの反響があることを知り、2005年の暮れから本格的な詩の創作活動を開始した。
 2011年12月から社会福祉法人光明会広報紙の契約ライター。