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高齢者が日本を支える社会に!!

生活困窮者自立支援事業

 日本は、世界一の長寿国であり、出生率の低下もあいまって人口に高齢者の占める割合が年々増えている。このような現象は「少子高齢化」として社会問題となっており、労働力不足へと繋がっている。我が国のGDP(国内総生産)を維持するには、労働力を確保しなければならないことは明白である。
 誰しもが年を取るし、医療の発達で「高齢者が増える」ことは、喜ばしいことであり「問題」ではなく、高齢者を活かす仕組みができていないことが問題なのである。
 平成25年4月より「改正高年齢者雇用安定法」が施行され、労働希望者全員を65歳まで雇うことが義務付けられた。同法は、企業に対し①定年の廃止②定年の引き上げ③継続雇用制度(再雇用含む)の導入、のいずれかで対応することを求めている。
 この背景には、厚生年金の受給開始年齢を61歳に引き上げられたことによる「年金空白(定年退職してから年金を受給するまでの無収入状態)」を防ぐという目的がある。
 しかしながら、働く場所がある高齢者は、困窮状態に至る可能性は低いが、一方で働く場所がない高齢者は、困窮状態に至る可能性が高い。
 高齢者が新たに就労を目指すことは容易ではなく、応募してもなかなか採用に至らないのが現状である。これは、高齢に伴い「能力」「体力」の低下により、企業にとって雇用してもメリットがないと考えられているからではないか。確かに年齢による体力低下はあるが、高齢者の「人生経験」「指導力」「コミュニケーション能力」は衰えることはない。これらを高齢者の強みとして人材活用するべきであろう。
 例えば佐倉市の生活困窮者自立支援事業の窓口に相談に訪れる高齢者の割合は、平成28年度で60歳~65歳が5名、65歳以上が18名(※この数字は、佐倉市の支援対象者数である)となっており全支援対象者の2割を占めている。
 高齢者が生活困窮状態に至る原因としては、疾病、熟年離婚、老老介護など様々である。相談に来られる方の健康状態、家庭環境にもよるが、体力的に就労することができる方は多い。上記支援対象者数の内、就労支援が展開されるケースは23名中11名である。就労支援が展開されるということは、体力以外の問題を排除すれば、十分に就労が可能であるということである。
 就労先は、病院の夜間受付や工場内のピッキング作業や清掃業務など様々であるが、職場に定着している。雇用先企業からは「高齢者がこれほど戦力になるとは思わなかった」との話を聞くことも少なくない。
 国の財政が圧迫している中、企業へかかる負担が大きくなっていることは確かであるが、高齢者を雇用することを「負担」と考えずに「労働力・戦力」として考えてほしい。
 本事業において高齢者雇用の成功事例を多く出し、高齢者を進んで雇用する企業が増えるようになることも役割であると考える。

(文責 主任生活自立支援担当 平川智則)