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千葉県障害者就業・生活支援センター連絡協議会 
雇用実態調査報告

 千葉県内には「障害者就業・生活支援センター」(以下、センターという)が16センター設置されている。全16センターにより「千葉県障害者就業・生活支援センター連絡協議会」を設立し、情報共有等を行っている。また、制度施策部会、研修部会、広報部会の3部会に分かれ専門的な視点で障害者就業に取り組んでいる。今号では、就職するなら明朗塾センター長の山本樹が部会長を務める「制度施策部会」の雇用実態調査を報告する。詳細は千葉県障害者就業・生活支援センター連絡協議会HPを参照 http://www.chiba-centernw.com/

障害者雇用で経済的に自立を目指すなら、より専門的な支援が必要!

 本調査は県内16センターを対象に平成28年2月29日時点での各10名(合計160名)の雇用状況について調査した。調査結果は協議会で精査し、関係機関等へ意見及び政策提言などに活用する予定である。

■調査方法(実態調査の概要)

調査目的 就職者の「雇用状況(職種、雇用形態、賃金など)」を把握、現状や課題、新たな支援手法の開発。
調査項目 対象者の属性(障害の内容、年齢、受給年金)、就業者の雇用状況(職種、雇用形態、加入保険、休日、就業時間、賃金)、課題認識の有無、工夫している支援等、自由記述。

■調査結果(抜粋)

雇用形態(正規及び非正規の別)

  • 正規社員 9名 5.6%
  • 非正規社員 148名 92.5%
  • 無回答 3名 1.88%

賃金(月ベース)

  • ~100,000円 65名 40.6%
  • 100,001円~140,000円 58名 36.0%
  • 140,001円~180,000円 34名 21.0%
  • 160,001円~ 9名 5.6%
  • 無回答 2名 1.3%

 結果に対する考察は以下のとおりである。
 雇用形態では、非正規社員(契約社員、準社員、パート等)が92.5%を占めた。障害者雇用の主流は非正規社員である。賃金では、非正規社員契約での雇用がほとんどで、月の賃金は10万円未満40.6%、14万円未満ともなれば全体の76.61%に上っている。ちなみに、わが国の生活保護基準額(例えば30歳無職 千葉市:1給地-2)で月約10.7万円(障害加算)と比較しても、障害者雇用で働く者と生活保護受給者との間に大きな差はないといっても過言ではない。また、障害年金等の受給状況では、何らかの年金を受給している者の割合が48.1%であることから、現在の障害者雇用施策と障害年金施策は大きく関係しているといえる。
 一方、38.1%は障害者年金等を受給していないため、経済的不安定な状況が予想される。経済的自立を果たすには正社員並みの働き方や、長時間労働、ダブルワークなどで給与所得を上げなければならないと考えられる。これに対して、県内センターでは、障害者雇用上の課題の「ある」、「どちらかといえばある」を合わせると93.8%であることから何らかの課題があると認識している。特に、短時間求人が多い(もしくは正社員求人が少ない)ことや、障害者のキャリアアップ制度がなく将来への不安要素となるなど、企業側に起因することを挙げている。これには、障害者雇用促進法で定める雇用率制度が大きく起因していると考えられる。つまり、障害者雇用率を獲得するために、正社員や非正規社員の別は関係なく、障害者手帳を所持していること、それに加え所定労働時間の就業実績があることが障害者雇用率算定の要件となっているため、結果的に企業側は、障害のある従業員の働き方(キャリアアップ)や経済的自立等への意識が低くなっているのではないかと推測できる。しかし、これらの課題は企業側だけの責任ではなく、学生を支援する大学等と同様に、センターも障害者である求職者の支援に新たな支援手法を模索し、常にイバラの道を選択し歩んでいく所存である。

(文責 センター長 山本 樹)